【第3話】3Dプリントするために必要な下準備:3Dプリンタでデジタルモノづくりをはじめよう(3)(3/5 ページ)
中野ブロードウェイにある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」のN店長と大学生Y君との交流を通じて、パーソナル3Dプリンタを使いこなすためのハウツーを解説する連載。今回は[印刷]ボタンを押す一歩手前、3Dプリンタで出力するための下準備について紹介します。
「スライサー」とは?
よーし! STLファイルに変換できたようだし、今度は「スライサー」について教えてあげよう。
はい!
スライサーとは、STLファイルから3Dプリンタ専用の制御コード「Gコード」を生成するためのソフトウェアなんだ。多くの3Dプリンタメーカーが、スライサーの操作や印刷設定、3Dプリンタへのデータ送信などが簡単に行える専用のGUIソフトウェアを提供しているよ。
ふむふむ。
STLファイルを専用ソフトウェアで読み込んで、印刷解像度などを設定して、Gコードを生成するんだ。そして、Gコードが3Dプリンタ側に転送されて印刷が始まるんだよ。ちなみに、今回使うダヴィンチシリーズの場合は、「XYZware」という専用ソフトウェアがあらかじめ用意されているんだ。
なるほど〜。ひょっとして、メーカーごとに“クセ”や“違い”もあったりするんですか?
Y君、鋭いね。専用ソフトウェアで設定する項目は大体一緒だけど、スライサーの“味付け”はメーカーによって違うね。言ってみれば、クルマみたいなものかな。メーカーによって走りのフィーリングや機能も違うでしょ。
基本的に、どのメーカーの専用ソフトウェアもやれることは大体同じですが、図4のように画面デザインや操作ボタンの位置、設定項目の違い、そして、スライス処理の時間などの違いがあります。実際に、3Dプリンタの購入を考えている方は、ハードウェア性能だけでなく、専用ソフトウェアの違いも気にしておいた方がいいかもしれません。
なお、専用ソフトウェア(XYZware)の設定・調整方法については、次回で詳しく解説する予定です。ちなみに、「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」では無料の3Dプリンタ基礎勉強会も定期的に開催しているので、気になる方は東京メイカーのFacebookページをご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.