ゴムや樹脂の劣化度合いを分子構造レベルで解析するサービスを開始:FAニュース
OKIエンジニアリングは、自動車部品メーカーなどに向け「ゴム・樹脂材料の劣化解析サービス」の提供を開始した。
OKIエンジニアリングは2014年12月25日、自動車部品メーカーなどに向け「ゴム・樹脂材料の劣化解析サービス」の提供を開始したと発表した。
OKIエンジニアリングは、OKIグループの信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開する企業で、評価や環境試験などを代行するサービスを外部に販売している。今回の新サービスは、このうちゴムや樹脂材料の劣化状況を解析するものとなる。
ゴムや樹脂材料は優れた特性で電気部品の構成材料として幅広く使われている一方で、オゾンや日光、熱などにより劣化しやすい種類もあり、トラブルの要因となる可能性がある。
同サービスでは、ゴムや樹脂材料の劣化状況を、分子構造レベルでの評価として3μmの微小サイズまで解析可能となる。例えば、自動車のエンジンルーム内のスタータ、オルタネータ電極の放電によって発生するオゾンにより、ECU付帯部品、燃料ホース、エアーダクトホースなどは劣化する可能性があるが、その劣化状況を迅速に評価・解析できる。そのため、自動車部品の劣化度合の構造的な評価が可能となり、商品開発などへの早期フィードバックが可能となる。
また同社が以前から提供している耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、金属非腐食性などさまざまな信頼性環境試験の後続試験として組み合わせることもできる。これにより、自社で設備・人的投資なしで、自動車搭載部品など電気部品の各種環境試験を一括して効率的に行うことも可能だという。
新サービスの価格は単独の場合、1件当たり30万円〜となっている。販売目標は年間1500万円だとしている。
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