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3Dプリンタ、3Dプリンタ、3Dプリンタ! みんなのメカ設計――2014年記事ランキング「メカ設計」年間ランキング 2014(2/3 ページ)

今回はMONOist メカ設計フォーラムでよく読まれた記事を披露しつつ、そこに垣間見える業界の状況や編集裏話などを紹介します。結果は、「やっぱりね」という感じでした。

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3Dプリンタで、ワッショイ

 ご覧いただいたとおり、上位10位は、案の定、3Dプリンタ、3Dプリンタ、3Dプリンタ……と、3Dプリンタだらけ。2012年10月にクリス・アンダーソンさんの「Makers」が発売され、3Dプリンタの卓上モノづくりが話題になり、「メイカーズムーブメント」という言葉が流行り、すでに2年あまりがたっていますが、3Dプリンタブームはまだまだ続き、技術者以外の一般の方々への普及が少しずつですが進んでいます。

 第5、10位にランクインした「殺傷能力がある拳銃を作れる3Dプリンタは法的に規制すべきか?」「3Dプリンタ業界はPC業界の過ちを繰り返してはいけない」の記事でも取り上げた、3Dプリンタ製の殺傷能力のある拳銃を所持していたとして大学職員が銃刀法違反(所持)容疑で逮捕された事件は、3Dプリンタというキーワードが一般化した時代を象徴していると思いました。

 記事ランキングが「3Dプリンタ祭」になった背景には、3Dプリンタに関する記事がとにかくよく読まれる傾向ということで、積極的に記事投入してきたこともありますが、2014年5月にオープンした3Dデータコミュニティ「3D モデラボ」(以下、モデラボ)とのコンテンツ連携の影響もあると思っています。

 今だから言えますが、「第1回 3Dモデリングコンテスト」は、モデラボ開設のための布石打ちでもありました(第3位:グランプリの栄冠は誰の手に?――「第1回 3Dモデリングコンテスト」結果発表!)。現在作品募集をかけている第2回コンテストは部門分けが変わり、審査員にも、皆さんもきっとご存じの「あの方」をお迎えしました。詳しいことは「「絶対にブロッコリーが倒れない○○」出てこいや! 平野レミ氏らを審査員に迎えた3Dデータコンテスト開催へ」を読んでみてください(あ、タイトルで大体分かりましたか?)。また、皆さんの楽しい作品の応募を心からお待ちしております。

 さて「ダヴィンチ 1.0」の登場は、個人向け(パーソナル)3Dプリンタの本体価格が約7万円ということで、読者の皆さんにとってもインパクトがあったようですね(第2位:3Dプリンタニュース:低価格3Dプリンタの本命登場か!? ――誰でも自宅プリントを実現「ダヴィンチ 1.0」)。この装置は、編集部でも使っていますが、モデラボの“中の人”や“うでみ”さん、ITmedia CAD部(ひっそり活動中:うでみさんもメンバー)の部員たちが日々、造形を楽しんでいます。これまで3次元CADや3Dプリンタに触れたことがなかった人たちがチャレンジしているんですよ。これ、何気にすごいことだと思いませんか?

 そういえば「お気軽3Dプリンタ&スキャナ「ダヴィンチ 1.0 AiO」を使ってみた」で、3Dスキャナの機能について、結構正直に書いてしまいました……。個人向け3Dプリンタでモノづくりに目覚めた方々に3Dスキャナの“本当のこと”を知っていただきたかったからなんです。個人的には、「3Dプリンタの中に3Dスキャナも入れちゃえばいいよ」と考えたサービス精神? もとい心意気が素敵だと思いました。エンタープライズ向けはさておき、コンシューマ機器には、こんなノリが必要な気がしています。

 ランキングには残念ながら浮上しませんでしたが、エンタープライズ向け3Dプリンタ関連では、マルチカラー&マルチマテリアルの3Dプリンタや、切削との複合機など、「これはすごい」と口をついて出そうな新製品の発表に注目が集まりました(関連記事:Stratasys、46色カラー対応の3Dプリンタ「Objet500 Connex3」を発表足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化)。今はハイエンドな技術が、将来、少しずつでも個人向けの機器にも盛り込まれていくのだろうと考えると、ワクワクしてきます。

 そして、オートデスク、ローランドDGなど、これまで3Dプリンタ開発に直接かかわってこなかった企業さんによる参入も見られました(関連記事:3Dプリンタに新規参入続々、オートデスクとローランドDG)。業界に新しい風が吹くことで、これまでなかったようなユニークな製品やサービスが次々と生まれてくるといいですね。

 今後も、企業向けか個人向けかによらず、3Dプリンタの情報をバンバンお届けしていきますので、どうかお楽しみに! ワッショイ!

企業事例も人気ですよ

 そんな「3Dプリンタ祭」状態を押しのけて、第1位に輝いたのは、「CAE最前線―MRJ事例に見る航空機設計でのシミュレーション活用:MRJはいかにして設計されたのか」でした。三菱航空機の小型旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の設計における、多目的最適化手法やデータマイニング手法について紹介しました。

 ちなみにMRJ、来年(2015年)春に初飛行だそうですね。今から楽しみです。旅客機といえば、ボーイング787の技術的なトラブルが相次ぎ、「飛行機、本当に大丈夫なの?」と心配になっている方もいらっしゃると思います。旅客機の機体で本格的にCAEが活用されたのはボーイング777とこの記事にも書かれています。ボーイング777、787の開発当時より、今はCAEの技術も格段と進歩しています。燃費性能の高さと静音性もそうですが、何より、私たちが本当に安心して乗れる、Made in Japanの旅客機を届けてほしいと思います。

 企業の設計開発事例は根強い人気があります。一方で、設計開発や解析・シミュレーションについてとなると、特に大手企業さんの場合、なかなか情報を開示していただけません。貴重な情報である設計開発事例ですが、今後も頑張って記事を企画していきます。

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