マツダが新開発したバイオ素材、エコだけじゃないもう1つの狙いとは:新型「ロードスター」にも採用
マツダは「エコプロダクツ2014」で、三菱化学と共同で新開発した、自動車の外装意匠部品に使用可能なバイオエンジニアリングプラスチック製の部品を展示。その開発の背景には、環境への配慮に加えて商品性の追求といった狙いがあったという。
マツダは、「エコプロダクツ2014」(2014年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、三菱化学と共同開発したバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)製の部品を展示した(関連記事:マツダの新型「ロードスター」、内装に新開発のバイオエンプラを採用)。
このバイオエンプラは、植物由来材料を使用した環境負荷の低い素材でありながら、自動車の外装意匠部品としても利用できる。マツダの展示ブースで、バイオエンプラを開発した狙いについて聞いたところ、そこには“エコ”だけではないもう1つの理由があった。
狙いは「エコ」だけでなく「商品性の向上」
新開発のバイオエンプラ母材を利用する「マツダバイオテックマテリアル」は、塗装を施したABS樹脂などの従来材料と同様の耐久性や、植物由来材料の使用による環境負荷の低さといった特徴がある。しかし、マツダがこのバイオエンプラを開発した狙いの中心あったのは“商品性の向上”だという。
マツダがこれまで自動車に使ってきた外装意匠部品は、石油由来材料を用いた基材に塗装によって着色を行う2層構造だった。一方、マツダバイオテックマテリアルは、バイオエンプラ母材に着色剤を配合して色を付ける。その後、金型で成型を行い、塗装せずに最終製品として使用できる。塗装する場合に比べ、部品表面が滑らかに仕上がるため、より高い質感を実現できるという。
「バイオエンプラは環境への配慮だけでなく、自動車の商品性を向上させるために開発した。これにより、マツダの自動車の中で売れ筋である重みのあるカラーにより深みを与えられる。また、塗装工程が不要となるため生産効率を改善できるというメリットもある」(マツダの説明員)。
また、同説明員は「植物由来材料を使用というと、“エコ”という部分に注目が集まる。しかしマツダは、研究開発の中で自動車用部品として要求される耐久・耐熱性を実現する上でも、現時点においては植物由来材料を使用するのがベストだと判断した」としている。
マツダの展示ブースには、2015年内に発売する「マツダロードスター」の内装に採用予定のバイオエンプラ製部品が展示された。今後、その他の車種に対しては「タイミングをみて随時採用していきたいと考えている」(同説明員)としている。
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