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進化型メーターに使う車載マイコンの半分をスパンション製に車載半導体 スパンション インタビュー(3/3 ページ)

富士通のマイコン/アナログ半導体事業を買収したSpansion(スパンション)は、全社売上高の35%を車載半導体事業が占めるようになった。2014年5月から車載マイコンの新製品ファミリ「Traveo(トラビオ)」を矢継ぎ早に投入するなど事業展開も加速している。そこで、スパンションの車載半導体事業を統括する赤坂伸彦氏に、注目市場や今後の製品開発の方向性などについて聞いた。

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次世代車載LAN規格はいつ採用されるのか

MONOist スパンションの車載マイコンは、富士通時代からCANやLIN、FlexRayといった車載LAN規格に関する技術開発で先行してきたイメージがある。現在、今後の利用が見込まれる次世代の車載LAN規格として、CANを拡張したCAN FD(Flexible Data Rate)や車載イーサネットがあるが、これらの採用時期をどう見ているか。

赤坂氏 制御系で用いられているCANの帯域幅は、自動車の電子化の進展により既に限界に近づいている。CANよりも帯域幅を増やせるCAN FDについては将来的には必ず必要になるだろう。当社はTraveo第2弾としてCAN FDを搭載したマイコンを発表したが、その量産時期は2017年と決めている。つまり、そのころに生産を立ち上げる量産車に採用される流れになっているということだ。

 車載イーサネットは、既にECU(電子制御ユニット)のプログラム書き換えなどで利用されているが、今後は映像信号の伝送に用いられるようになると考えている。そして、ECUを統合制御するゲートウェイECUのバックボーン回線などにも利用範囲は広がる可能性がある。

MONOist 今後の車載マイコン開発の方向性について聞かせてほしい。プロセッサコアは何を使っていくのか。

スパンションの赤坂氏
スパンションの赤坂氏

赤坂氏 富士通セミコン時代の32ビットプロセッサコア「FR」について新規開発する予定はない。今後新たに開発する車載マイコンにはCortex-R5を搭載していくことになる。

 現在、当社の車載マイコンの売り上げは16ビットマイコンの「F2MC-16FX/LX」が中心で、これを置き換える形でFRマイコンも増えてきている。これらの現行製品はしっかり販売していく。もちろん、Cortex-R5を搭載する新製品のTraveoの売り上げも伸ばしていく。

MONOist ARMのプロセッサコアであれば、スパンションの汎用マイコンで採用しているARMの「Cortex-Mシリーズ」もある。またCortex-R5よりも高機能な「Cortex-R7」もあれば、「Cortex-Rシリーズ」の次世代アーキテクチャ「ARMv8-R」も提案されている。これらを使う予定はあるのか。

赤坂氏 今のところCortex-Mシリーズを車載マイコンに採用する予定はない。Cortex-R7も、アウトオブオーダー実行などリアルタイム系の用途に向かないアーキテクチャを使用しているので使うことは考えていない。ARMv8-Rについては視野に入れているが、具体的なプロセッサコアIPとしての商品が出てこないと本格的に検討するのは難しい。

MONOist スパンションの車載半導体事業の目標は。

赤坂氏 スパンションの製品群は、メーターをはじめとするダッシュボード系の他、電気自動車やハイブリッド車に搭載されるモーター制御系が対象市場になっている。これらの市場規模は、自動車市場の伸びと連動するように年率数%程度成長している。

 当社のダッシュボード用マイコンの世界シェアは現在40%弱だが、デジタルクラスタ市場をS6J3200シリーズなどで確保することで50%まで持っていきたい。これに加えて、既に量産車への採用実績もあるモーター制御系での世界シェアを30%程度まで伸ばしたい。

 そうすれば、車載マイコン全体での世界シェアを、現在6〜7%から10〜15%に高められるはずだ。

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マイコン | Spansion | ARM | 富士通


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