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スパンションがCAN FD対応車載マイコンを出荷、セキュリティコアも搭載車載半導体

Spansion(スパンション)は、車載LAN規格であるCANを拡張したCAN FD(Flexible Data Rate)対応コントローラを搭載するボディ系システム向けマイコン「S6J3100シリーズ」のサンプル出荷を始めた。S6J3100シリーズは、車載マイコンのセキュリティコア「SHE(Secure Hardware Extension)」も搭載している。

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「S6J3100シリーズ」を搭載した評価ボード

 Spansion(スパンション)は2014年6月26日、車載LAN規格であるCANを拡張したCAN FD(Flexible Data Rate)対応コントローラを搭載するボディ系システム向けマイコン「S6J3100シリーズ」のサンプル出荷を始めたと発表した。併せて、同日に東京都内で開催されたイベント「CAN FD Tech Day Japan」において、S6J3100シリーズの実製品を用いたデモを披露した。

 S6J3100シリーズは、スパンションが新たな車載マイコンファミリとして立ち上げた、ARMのリアルタイムプロセッサコア「Cortex-R5」を搭載する「Traveo」の第2弾製品となる。CANよりも高速のデータ伝送速度と広いデータフレーム長を実現できるCAN FDに対応している。CAN FD対応マイコンは、Freescale Semiconductorがパワートレイン向けの製品を2013年3月に発表しているが、ボディ系システム向けではS6J3100シリーズが初となる。CAN FDを利用する際のデータ伝送速度は最高で5Mビット/秒(bps)まで対応している。従来のCANのデータ伝送速度は、最高で1Mbpsだった。

 さらに、欧州で策定されている車載マイコンのセキュリティコア「SHE(Secure Hardware Extension)」も搭載している。SHEによって、伝送データを暗号化するのに必要な秘密鍵の格納場所をマイコン内部でハードウェア的に分離し、さらに認証機能を用いることでデータ改ざんや抜き取りを防止できる。

 これらの他、4Mバイトまでの大容量フラッシュメモリを内蔵。低消費電力動作モードの状態でもセンサーの異常値を検知できるように、プロセッサを介さずA-Dコンバータを起動する「パーシャルウェイクアップ」も搭載している。動作周波数は144MHzで、製造プロセスは55nmとなっている。

「CAN FD Tech Day Japan」における「S6J3100シリーズ」のデモ(左)と、S6J3100シリーズを搭載した評価ボード(クリックで拡大)

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