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ホンダの「グレイス」投入は「i-DCD」完成の証しとなるかエコカー技術(2/2 ページ)

ホンダは2014年12月1日に発売した小型ハイブリッドセダン「グレイス」は、2014年春の発売を予定していた。半年以上延期することになったのは、1モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」搭載車のリコールが連続して発生したからだ。ホンダは、「グレイスの投入でi-DCD搭載車は完成した」と述べている。

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リコール連発で発売が半年以上延期に

 ここでグレイスの投入を阻む事態が発生する。グレイスと同様にi-DCDを搭載する、フィット ハイブリッドとヴェゼル ハイブリッドのリコールである。

 これらi-DCD搭載車のリコールは、2013年10月、同年12月、2014年2月、同年7月、10月の5回発生した。不具合の原因は、1〜3回目がi-DCDの7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の制御プログラム、4回目がモーターの制御プログラムだった。なお5回目については、i-DCDとは無関係であり、2種類の部品で電気ノイズへの対策が不足していたことが不具合原因だった。

リコールの原因となった「i-DCD」の7速DCTの内部構造
リコールの原因となった「i-DCD」の7速DCTの内部構造(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 5回目のリコールを受けてホンダは、i-DCD搭載車について、「モーターとエンジンを組み合わせて制御するシステムの開発過程において、さまざまな使い方を想定した検証が不十分だった」として、品質保証体制の強化を発表した。

 2014年春をいていしていたグレイスの発売も延期された。そして、i-DCD搭載車のリコール原因を究明する中で、必要と判断された項目を追加した試験を行った。ホンダの2つのテストコース(栃木プルービンググラウンドと鷹栖プルービンググラウンド)の他、公道での試験も重ねたという。

 グレイスの正式な発売時期が発表されたのは2014年10月31日。同年10月23日に発表した5回目のリコールと品質保証体制強化を受けてのものだ。

 グレイスの発表会見に登壇した国内販売を担当する専務執行役員の峯川尚氏は、報道陣からのi-DCD搭載車の品質保証体制に対する質問に、「グレイスは、新たな品質保証体制の下で開発を見直した。発売を延期することになったが、これによってi-DCD搭載車として完成したクルマになった」とコメントしている。

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