トヨタがグループ内の自動車部品事業を集約、ブレーキ/ディーゼル/MTで:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車は、同社グループの自動車部品事業を集約/統合し、競争力を強化する方針を打ち出した。「もっといいクルマづくり」を推進するための施策だとしている。
トヨタ自動車は2014年11月28日、同社グループの自動車部品事業を集約/統合し、競争力を強化する方針を打ち出した。同年11月26日に発表したTTDCの車両開発機能をトヨタ自動車本体に統合する方針(関連記事:トヨタ自動車がTTDCの車両開発機能を統合、5000人の従業員が移籍)と同じく、「もっといいクルマづくり」を推進するための施策だとしている。
今回の発表では、ブレーキ、ディーゼルエンジン、マニュアルトランスミッション(MT)が事業の集約/統合の対象になっている。事業の集約/統合による人員移動の規模については公表していない。
ブレーキについては、2001年7月にアイシン精機、デンソー、住友電気工業、トヨタ自動車の4社で設立したアドヴィックスへの事業集約をさらに推進し、ブレーキシステムの開発、生産から販売まで一貫した事業体制を完備し、より専門性を高める。
具体的には、アイシン精機、デンソー、トヨタ自動車の3社が、アドヴィックスへの人員派遣など開発支援を強化する。また、アイシン精機の半田工場(愛知県半田市)ならびにデンソーの大安製作所(三重県いなべ市)の制御ブレーキの生産機能を、2016年1月完成予定のアドヴィックスの半田新工場へ段階的に移管する。
アドヴィックスの半田新工場は、アイシン精機の半田工場に隣接する形で建設される。工場の延べ床面積は3万7600m2(+事務棟の6750m2)。投資額は約110億円で、アイシン精機が建設しアドヴィックスに貸与する形をとる。
ディーゼルエンジンについては、豊田自動織機とトヨタ自動車が共同で取り組んできたディーゼルエンジンの開発/生産機能を、豊田自動織機に集約する。ディーゼルエンジン固有の開発機能を、順次豊田自動織機に集約していくとともに、生産についても今後新規に立ち上げるディーゼルエンジンについては、原則、豊田自動織機に集約する。時期については、今後両社で協議して決めるという。
これにより豊田自動織機は、自動車用ディーゼルエンジンの技術を自社製フォークリフト用エンジン、および産業機械分野へ転用できるようになり、事業規模の拡大と開発の効率化が図れるとしている。一方、トヨタ自動車は、ディーゼルエンジンとガソリンエンジン共通の先行基盤技術の開発に重点を置けるようになる。
MTについては、トヨタ自動車の開発機能と国内生産を、アイシン精機の子会社でMT専門子会社であるアイシン・エーアイに集約する。併せて、トヨタ自動車がトランスミッションを生産している衣浦工場(愛知県碧南市)のMT生産を、2016年半ばをめどにアイシン・エーアイに移管する。
これによってアイシン・エーアイは、従来以上にMTの企画力/提案力を高め、世界トップのMT専門メーカーを目指す体制を整えられるという。また、トヨタ自動車は、次世代トランスミッションと関連する車両性能の開発に集中できるようになるとしている。
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