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IoT時代に向けて日本企業が克服すべき課題は「損して得を取る」:ET2014 基調講演リポート(4/4 ページ)
「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展」の基調講演に、パナソニック 全社CTO室 理事の梶本一夫氏が登壇。同氏はパナソニックのIoTに関する取り組みやIoT時代に求められるエンジニア像、日本企業の課題について語った。
水平型に移行できるかが鍵に
IoT市場の拡大に伴い、オープンソースソフトウェア(OSS)の活用にも注目が集まっている。梶本氏は「日本の企業の多くはハードウェアのアーキテクチャを規定すれば、ソフトウェアの開発効率も向上してコストが下がるという垂直型の考えだった。しかし、現在ではOSSのようにオープンな場の中で規定されていくソフトウェアのアーキテクチャが、ハードウェアのアーキテクチャを規定するという水平型に移行しつつある」と語る。
梶本氏は、こうした水平型のモデルに移行できるかどうかが、日本の企業の生き残りのカギになると主張した。「例えばGoogleの場合、Androidを開発している部門は儲かっていない。しかしAndroidが普及することで、スマートフォンなどから多くの人がGoogleの検索エンジンを利用する。すると結果として広告収益が上がるため、Googleは最終的に黒字になる。日本の企業は縦割りの収支管理なので、赤字の事業部を抱えにくい構造になっており、Googleのように『損して得を取る』ことは難しい。こうした課題にどう対処して、水平型に移行していくかが日本企業の生き残りの鍵を握るのではないか」(梶本氏)としている。
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