工場の最適稼働や巧みの技の再現も可能に――NECがビッグデータで勝つ理由:製造ITニュース(2/2 ページ)
NECはユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2014」を開催。同社代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏が基調講演を行い、NECの戦略や強みを紹介した。
ビッグデータ時代に鍵を握る技術とは
例えば、IPアドレスを持つ電子機器は2012年が43億台だったのに対し、2020年には99億台が普及すると予測されている。またこれらの動きに伴い、IoTの世界需要も2012年が167兆円だったのが、2020年には308兆円になると見られている。さらにデータ量については2013年が4.4兆Gバイトだったのに対し、2020年には10倍となる44兆Gバイトに達すると予測。ただ、遠藤氏は「2013年はこの4.4兆Gバイトのうち実際にデータとして活用されたのは5%にすぎない」とし、データを活用する技術の重要性を訴える。
そこで重要になってくるのが、データとデータの関係性を見いだす「相関関係」に関する技術だ。NECではこの相関関係を把握する技術として、独自技術として「インバリアント分析」や「異種混合学習」などの技術を保有している。また世界的に競争力のある技術として「テキスト含意認識」技術や「顔画像解析」技術、「行動分析」技術などを保有しており、データを活用し価値に変える独自のソリューションを展開可能だ。「NECはこの相関関係を見いだす技術が得意だ」(遠藤氏)としており、ビッグデータ時代に強みを発揮できることを強調した。
相関関係を発見する独自技術
「インバリアント分析技術」は個々のセンサーデータを分析するのではなく、システム全体のデータを分析することでシステムの変化や異常を早期に検出する技術だ。例えば、生産ラインの1つの装置の1つの動作をセンシングしただけでは把握できることに限界があるが、生産ライン全体のセンシングデータを取得しその相関関係を見ることで異常の予兆を発見可能となるという使い方となる。これにより、個々のセンサーデータでは分析を行っても異常予知が30分程度でしか検出できなかったのが、数時間単位で予知できるようになった。そのため実際に問題が起きる前に対処が可能になったという。同技術は実際に中国電力の発電所で利用されており、3500×3499組のセンサーの相関関係から「いつもと違う」を発見し、成果を残せているという。
一方「異種混合学習技術」は、大量のデータ中に混在する異なるタイプのパターンや規則性を自動的に発見し、将来の状況を予測する技術。収集されたさまざまなタイプのデータを分析することで傾向を見つけることで予測を行う。同技術は、商品需要予測や電力需要予測、適正価格予測、品質予測、劣化予測などに活用可能だという。既に補修部品の需要予測としてNECフィールディングで活用されており、最適な在庫数を予測することで、在庫数量を2割削減できたという(関連記事:NEC、ビッグデータ分析で補修用在庫部品量を最適化する技術――2015年度から外販)。また大林組が電力需要予測によるビルの節電対策などに利用しており、今後も用途が広がる見込みだ。
さらに顔認識技術では、NIST(米国国立標準技術研究所)が実施した2009年、2010年、2013年の精度評価コンテストでトップ評価を受けたとしており、1秒間に約600万件のデータベースを検索することが可能だという。既に国家インフラ分野を中心に世界20カ国で導入実績があるとしている。
遠藤氏は「ビッグデータの価値には、データが大量に集まることから生まれる価値と蓄積された大量のデータから生まれる価値の2種類があると思うが、これらのどちらの場合においても相関性をどう見つけるかということが重要になる」と話している。
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