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未来のタイヤが19世紀のものと同じ形になる理由:元ブリヂストンのタイヤ開発者が語る(4/4 ページ)
工学院大学が開催したプレス向けセミナーにおいて、同大学 機械創造工学科教授の中島幸雄氏が「将来のタイヤ像を提案する」をテーマに研究内容を紹介。環境規制やエコカーの普及が進む中で「タイヤの形は19世紀のときと同じになる」と語った。
タイヤの大型化とITSの整備が鍵に
中島氏がダウンサイジング・コンセプトに必要なアプローチとして挙げたのが、タイヤの大径化だ。タイヤのグリップ力を向上させることで、ブレーキ性能や操縦性能を補うことができるという。同氏はダウンサイジング・コンセプトとタイヤの大径化を組み合わせた事例として、BMWの電気自動車「i3」にブリヂストンが開発したエコタイヤ「ECOPIA EP500 ologic」が採用された事例を紹介した(関連記事:「BMW i3」の新車装着タイヤ、ブリヂストンが狭幅・大径の新製品を供給)。
また中島氏は、ダウンサイジング・コンセプトの課題が解決されるには、ITSなどの運転支援システムの整備が進み、自動車用タイヤにおけるブレーキ性能や操縦性能の重要性が下がっていくことも重要だとしている。
中島氏は、1880年代から現在まで自動車用タイヤの幅は広くなり続けてきたと説明する。しかし今後については「環境規制に加え、今後は自動車用タイヤに対する環境規制も強まると見られていることや、ITSなどの整備が進むことでタイヤのダウンサイジング化は加速していくと考えている。1880年代のクルマのような幅の狭い形に向かってダウンサイジング化していくだろう。その一方で、操作性を重視するユーザーも残ると考えられるため、タイヤの幅に関しては2極化するのではないか」としている。
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