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未来のタイヤが19世紀のものと同じ形になる理由元ブリヂストンのタイヤ開発者が語る(3/4 ページ)

工学院大学が開催したプレス向けセミナーにおいて、同大学 機械創造工学科教授の中島幸雄氏が「将来のタイヤ像を提案する」をテーマに研究内容を紹介。環境規制やエコカーの普及が進む中で「タイヤの形は19世紀のときと同じになる」と語った。

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未来のタイヤは細く大きく

 中島氏は、燃費規制や騒音規制の強化、運転支援システムの発展といった環境の変化によって、今後自動車用のタイヤには、転がり抵抗が小さく、低騒音であるといった性能が求められていくと説明。そこで同氏が次世代の自動車用タイヤとして提案するのが「ダウンサイジング・コンセプト」だ。


中島氏が提案する「ダウンサイジング・コンセプト」。タイヤの空気圧を高め、幅を狭くすることで転がり係数を小さくする(クリックで拡大)出典:工学院大学

 中島氏のダウンサイジング・コンセプトは、タイヤ幅が狭く、高い空気圧を持ったホイール径が大きいタイヤを提案する。これは、転がり抵抗が小さいタイヤであることを意味する。転がり抵抗が小さい、転がりやすいということは、エンジンなどの駆動機関が生み出すエネルギーを効率よく利用できるため、燃費性能の向上につながる。さらに、タイヤ幅が狭くなることで、タイヤ騒音の軽減も可能なるというわけだ。また、1つのタイヤに使用する材料も少なくなるため、環境にも貢献できる。

 しかし、中島氏はダウンサイジング・コンセプトには課題があると説明する。「タイヤ幅が狭くなったことなどによって、乗り心地やブレーキ性能などが悪化する。こうした部分を別のアプローチによって補完する必要がある」(中島氏)。

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