日産が2014年度通期販売台数を20万台下方修正、売上高予想は増加へ:製造マネジメントニュース
日産自動車は、2014年度(2015年3月期)上期(4〜9月期)の連結業績を発表した。前年同期比で増収増益を達成したものの、通期見通しにおけるグローバル販売台数を当初予想の565万台から20万台減の545万台に引き下げた。ただし、通期の売上高は若干の上方修正を行い、営業利益や当期純利益は据え置いている。
日産自動車は2014年11月4日、2014年度(2015年3月期)上期(4〜9月期)の連結業績を発表した。
売上高は前年同期比8.2%増の5兆1446億円、営業利益が同18.0%増の2619億円、経常利益が同41.9%増の3282億円、当期純利益が同24.9%増の2370億円。好調な北米市場や景気の安定した西欧市場が、消費増税のあった日本市場、長期にわたる経済不安を抱えるロシアや他の新興市場の落ち込みを相殺し、円高是正の効果もあって増収増益を達成した。
2014年度上期のグローバル販売台数は同5.8%増の258万1000台となった。市場別では、日本市場が同7.6%減の29万1000台、中国市場が同14.6%増の62万台、北米市場が同14.1%増の91万3000台、欧州市場が同8.4%増の33万4000台、その他市場が同0.2%減の42万3000台。海外の各市場でシェアを伸ばす一方で、日本市場のシェアは0.6ポイント減の11.8%となった。
2014年度通期見通しは、グローバル販売台数を当初予想の565万台から20万台減の545万台に引き下げた。これは、北米市場が好調を持続するものの、新興市場や中国市場の販売台数が減少することによる。
グローバル販売台数の減少を予想しながらも、北米市場での販売増やさらなるコスト削減、為替レートの変更を反映して、通期業績予想は売上高だけ若干の上方修正を行い、利益は据え置いた。売上高は前回発表(2014年5月12日)比で100億円増の10兆8000億円、営業利益は据え置きの5350億円、当期純利益も据え置きの4050億円。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ホンダが2014年度通期業績予想を下方修正、日本と中国で苦戦
ホンダは、2014年度(2015年3月期)第2四半期(7〜9月期)の連結業績を発表するとともに通期連結業績予想を下方修正した。修正理由は、日本と中国の厳しい事業環境における販売台数の減少である。 - トヨタ、為替のゲタを脱いでも四半期過去最高益――「踊り場」との慎重さは崩さず
トヨタ自動車は2014年度第1四半期(4〜6月期)決算を発表した。継続的に取り組んできた原価改善努力により、消費増税による国内販売台数減や前年の為替差による利益分を吸収してあまりある成長を見せ、第1四半期としては過去最高の営業利益と最終利益を達成した。 - IE専門家、インドで工場を立ち上げる
グローバル体制の実現と高利益率を目指した日産のインド工場立ち上げは一筋縄ではいかなかったようだ。中国とも東南アジアとも違うインドでIE専門家が見たものとは?