船井電機がクラウドを活用した特許管理基盤を導入:製造IT導入事例
船井電機は、富士通のSaaS型特許管理クラウドサービスを新たに導入。企業と特許事務所で個別に管理している特許管理データをクラウド基盤に統合し、双方向からデータの更新などができるようにし、情報共有・伝達の効率化を実現したという。
船井電機は、富士通のSaaS型特許管理クラウドサービス「ATMS PROPAS」を新たに導入し、運用を開始した。
船井電機は、主にAV機器を中心に北米での売上高が全体の7割を占めている。そのため、国際的な知財紛争、模倣品対策など、知的財産と密接に関連した課題が多く、特許、意匠、商標含めた複合的な権利保護と権利活用が重要になっていた。一方で、顧客の求める製品をタイムリーに世界市場へ投入していくスピード感も不可欠であり、知財業務の迅速化および特許データの管理負荷の軽減が求められていた。
従来船井電機では、オンプレミス型の特許管理システムを活用し、特許事務所との間は紙で情報のやりとりを行っていたため、情報伝達のタイムラグやシステムへの二重入力による作業の無駄が発生していた。これらの無駄を排除するために、今回船井電機では、クラウド上で特許事務所と連携可能な「ATMS PROPAS」の導入を決定した。
「ATMS PROPAS」は、データリンク機能により、クラウド上で企業と特許事務所のデータ統合を実現するシステム。船井電機では、国内の特許事務所と「ATMS PROPAS」で接続することにより、お互いに入力したデータをリアルタイムに更新・確認できるようにしたという。特許・意匠・商標の管理や、特許の届出・出願・権利消滅までの一連の手続きにおいて、双方でのダブルチェックや正確な情報のやりとりが可能となり、知財業務を正確かつ迅速に行うことができるようになったとしている。
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