カーナビの地図データと施設情報が常に最新! 富士通テンが常時接続で実現:車載情報機器(2/2 ページ)
富士通テンは、常時接続によって“つながるサービス”を提供する「Future Link(フューチャー リンク)」と、同サービスを採用した市販カーナビの新製品「SZシリーズ」を発表した。
ACC電源オフ後に地図データを更新
Future Linkを用いたSZシリーズの新たな機能は3つある。1つ目は、地図データの自動更新だ。富士通のクラウドセンター側で1カ月ごとに更新する地図データの差分をSZシリーズにダウンロードすることで、地図データを最新の状態に保つことができる。なお、地図データの更新作業は、ドライバーが車両のACC(アクセサリー)電源をオフにした後で行われる。これは、カーナビの動作中に更新すると応答速度が低下するという問題を避けるためだ。
2つ目はクラウドセンターとの連携によるPOIデータの検索だ。カーナビ側は、入力された単語から予測候補を出す機能を有しており、この予測候補を使った複数単語のAND検索を行うと、クラウドセンターが持つ最新のPOIデータのデータベースと照らし合わせて検索結果をカーナビ画面に出力する。「出店や閉店が頻繁に行われるコンビニなどを探す場合には、この機能の実力を感じてもらえると思う」(富士通テン)。
3つ目は目的地周辺駐車場検索である。ルート案内を始める時点でこの機能を設定すると、目的地から2km前の時点で周辺の駐車場検索を開始し、検索結果を表示してくれる。また、地図上の駐車場アイコンを使って満車/空車情報を示したり、各駐車場の駐車料金などを確認したりできる。
これらの他、SZシリーズでは、スマートフォンの音声対話アプリ「CarafL(カラフル)」との連携機能も拡張された。例えば、自宅でCarafLを使って目的地を設定すれば、車両を始動すると同時にカーナビ側でもその目的地に設定したルート案内を始められるようになった。運転中に、カーナビの画面を見ずに、CarafLと会話しながら目的地を設定することも可能だ。
「プローブデータは収集していない」
こういった自動車の“つながるサービス”は、車両位置などのプローブデータをサービス提供者側が収集することが多い。トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、パイオニアは、プローブデータを使って、リアルタイムの渋滞情報などを提供するなどしている。山中氏によれば、「当面は、Future Linkによるプローブデータの収集は行わない」とのことだった。
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