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HDDの故障診断技術を応用、低圧迫で“痛くない”血圧測定をNECが発表医療技術(2/2 ページ)

NECは、上腕部に強い圧力をかけなくても血圧を正確に測定できる技術を開発した。サーバやPCに搭載されているHDDの故障診断技術を応用したもので、血管の振動波形から血圧を推測する。

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HDDの故障診断技術を応用

 NECは、ここでサーバやPCの診断技術を応用した。搭載されているHDDの振動波形を解析して、故障を検知するものだ。故障検知で培った波形解析の技術を、医療用途に応用したことになる。

 NECが試作器の評価を行ったところ、医療認可基準である平均誤差5mmHg±標準偏差8mmHgを満たす測定精度を確認したという。なお、正式な医療認可基準の評価は、85人、255データ、医師の聴診法との比較で行うが、今回はその1/30程の規模で評価試験が行われた。

試作器の評価結果。右の表から、圧迫の強さは約半分にもかかわらず、血圧はほぼ同じということが分かる(クリックで拡大)

 弱い圧迫で血圧を測定する利点は、患者の負担が減るだけではない。強い圧力をかける必要がないので、それほど強力なモーターやポンプを用いなくてもよく、電源電圧も低く済む。それによってカフの小型化と低消費電力化を図ることができる。試作器の重さは電源込みで約250gで、既存の製品(450〜500g)の1/2近くまで軽量化している。さらに、カフの容積も既存品の約1/2となっている。ちなみに250gは、「iPhone」をジョギング用アームバンドに入れたときの重さよりも軽いという。

医療ビッグデータの蓄積にも

 血圧を高い頻度で測定することは、治療の効果の確認や疾病の早期発見において重要だ。「今回の技術によって、これまでよりも、血圧を24時間測定しやすくなる」(NEC)。さらに、負担が軽いので、新薬の開発などで血圧データを長期間にわたって収集する際、被験者の協力を得やすくなる。NECは、「今回の目的は大きく2つある。同技術を採用した血圧計を製造、販売してもらえるパートナーを探すことと、血圧データを収集し、“医療ビッグデータ”として提供することだ」と述べた。

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