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光センサーで血圧を測る、触れるだけで測定が可能に:センシング技術
日本大学は、光センサーを使い、指で触れるだけで血圧を測定できる機器を展示した。同じ原理を用いた、腫瘍の有無を検知する製品も開発中だという。
日本大学工学部 次世代工学技術研究センターは「ヘルスケアデバイス展2013」(2013年10月23〜25日、パシフィコ横浜)で、“指で触れるだけで血圧を測定できる”機器を展示した。
血流が変化すると光の波長(色)が変化することを利用したもので、波長の変化を光センサーで捉え、その変化から血流量を計算し、それをさらに血圧値に変換するという。日本大学は、「光センサーを使って血圧を測定する機器は、まだ市場にないのではないか」と述べる。
さらに、同じ原理を利用して、腫瘍の有無を検知できる機器も試作した。「腫瘍ができる初期段階は、血管が密集してくると言われている。つまり血流も増えるので、血流が他に比べて異常に多いところを光センサーで検知するという仕組みになっている」(日本大学)。
日本大学は、この試作品を、ドイツで開催された国際医療機器展「MEDICA 2012」(2012年11月14〜17日)に出展した。「来場者からは高い関心が寄せられ、『すぐに1000個納品してほしい』と要請されたこともあった」(日本大学)という。同大学は、「現在は動物を使った実証実験しか行っていないが、臨床試験を開始できるくらいのデータはそろっている」として、製品化に向けて協業パートナーを探している。
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