「工作機械の東京オリンピック」に――「JIMTOF 2014」は865社が出展:JIMTOF2014
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは、両者が主催する工作機械と関連製品/技術の展示会「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」の概要を発表した。開催期間は2014年10月30日〜11月4日の6日間で、東京ビッグサイトの全館を使用する。出展社数は前回比で50社増の865社。総来場者数は13万人を目標としている。
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは2014年10月1日、東京都内で会見を開き、両者が主催する工作機械と関連製品/技術の展示会「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」の概要を発表した。開催期間は2014年10月30日〜11月4日の6日間。東京ビッグサイトの東館から西館まで全館を使用する。出展社数は前回比で50社増の865社(共同出展社・内部出展社を含む)。総来場者数は13万人を目標としている。
JIMTOFは、1962年から2年に1回のペースで開催されている工作機械の見本市だ。1964年開催の第2回から東京で開催(第1回は大阪開催)されており、今回がJIMTOFの東京開催50周年となる。今回の865社という出展社数は「1996年から開催場所が東京ビッグサイトになって以降は過去最高」(東京ビッグサイト)だという。
日本工作機械工業会専務理事の石丸雍二氏は、「国内メーカーの工作機械受注が6カ月連続で1200億円超を維持するなど、工作機械の需要は好調だ。2014年9月に米国シカゴで開催された工作機械の展示会『International Manufacturing Technology Show(IMTS) 2014』も盛況で、米国経済の好調さを感じた。JIMTOF 2014もIMTSに負けないように盛り上げたい。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場になる東京ビッグサイトで開催するのだから、『工作機械の東京オリンピック』という意気込みでいきたい」と語る。
865社のうち海外からの出展は前回比9社増の87社(25カ国)となる。これらのうち、中国、韓国、台湾の企業が67社を占める。
見どころは「自動化」「知能化」「3Dプリンタとの融合」
石丸氏はJIMTOF2014の見どころを6つ挙げた。1つ目は「自動化技術の進展」である。人的コストの削減と機械稼働率の向上、品質の安定化に有効な自動化は、先進国のみならず、人件費が急激に高騰する新興国でも求められるようになっている。JIMTOF2014では、日々進化しているセンサー技術やロボット技術を活用した新たな自動化技術を見ることができるという。
2つ目は「賢く機械を使いこなす知能化技術」だ。これまでに開発されてきた工作機械の知能化技術としては、多軸化に対応する干渉回避技術や、精度を維持しながら加工速度を向上するびびり振動回避技術などがある。これらに加えて、機械固有の誤差や経年変化に左右されずに常に高精度を維持するための計測/補正技術や、工具や工作物の形状データを活用して加工条件を最適化する技術、消耗品や工具の使用状況をモニタリングすることで交換時期を予測し、ダウンタイムを短縮する技術の研究開発が進んでいる。
3つ目の見どころは、切削加工が中心の工作機械に対して樹脂や金属などの材料を積層造形加工する「AM(Additive Manufacturing)との融合」になる。いわゆる3Dプリンタに用いられているAMは、従来の製造プロセスに変革をもたらす新技術として注目されている。
4つ目の「CNC技術の新展開」、5つ目の「省エネ化技術」、6つ目の「さらなるコンパクト化」についても注目の出展が予定されている。
この他、スマートフォン用アプリや、来場者と出展企業の間で双方向にアポイントが取れるマッチングシステムなど来場者の利便性向上に役立つ取り組みも充実させた。さらに、JIMTOF開催期間中の17時〜18時15分まで、東京ビッグサイト会議場壁面を使ったプロジェクションマッピングも行う。
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