三菱重工、常温ウエハー接合装置による接合サービス事業を開始:FAニュース
装置導入を検討する企業などに対して行っていた接合テストサービスを、今後は導入計画の有無に関係なく受け付ける。常温接合プロセスの有効性を広め、装置拡販につなげるとともに、接合サービスを新事業として育成する狙い。
三菱重工は2014年8月11日、自社開発の常温ウエハー接合装置を使用して、多様な素材同士を接合するウエハー接合サービス事業を開始したと発表した。
常温接合は、イオンビームや原子ビームを真空中で照射することで、ウエハー表面を活性化させて接合する方式。通常の接合と違い、熱を全く加えないため、熱膨張率が異なる材料の接合や、精度の高い仕上がりが求められるMEMS製品、加熱できないバイオデバイスなどの製造に対応できる。また、シリコン系・酸化物誘電体・ガラス・化合物半導体・金属・セラミックスなど、幅広い材料の接合も可能となっている。
同社では、これまで装置導入を検討する企業などに対して、実際のサンプルを使った接合テストサービスを提供していたが、今後は導入計画の有無に関係なく受け付ける。これにより、常温接合プロセスの有効性を広め、装置の拡販につなげるとともに、接合サービスを新事業として育成する狙い。
接合サービスは、横浜市金沢区の技術統括本部先進技術研究センターと、滋賀県栗東市の工作機械事業部のデモ装置4台で対応する。料金は、ウエハーのサイズ・数量によって決定し、チップサイズの接合テストにも条件付きで対応するという。
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