トヨタが自動運転やウェアラブル機器活用の研究に注力、米国で36億円を投資:安全システム
トヨタ自動車は、米国の「先進安全技術研究センター(CSRC:Collaborative Safety Research Center)」における研究開発の取り組みを大幅に強化するため、3500万米ドル(約36億7000万円)の投資を行うと発表した。
トヨタ自動車は2014年9月4日、米国ミシガン州のToyota Technical Center(TTC)内に設置している「先進安全技術研究センター(CSRC:Collaborative Safety Research Center)」における研究開発の取り組みを大幅に強化するため、3500万米ドル(約36億7000万円)の投資を行うと発表した。
今回の投資は、CSRCの2017〜2021年までの活動を支えるものであり、より安全で信頼できる交通手段の確立を目的としている。自動運転技術や、無線通信によって自動車とクラウドが「つながる」技術などの開発に注力しながら、より安全な次世代モビリティ社会の早期実現に向け取り組んでいく。また、ウェアラブル機器の普及と連動した、情報通信機器やセンサーなどを使って人の行動や状態などを定量的に測定し新たな知見を得る「クォンティファイドセルフ」の広がりのように、時流や関心をより幅広く複合的に捉えて次世代モビリティとの連携の可能性を探っていくとしている。
今後のCSRCの具合的な研究領域になるのが、自動運転技術や「つながる」技術に関わるHMI(Human Machine Interface)のガイドライン策定、これらの技術を安全に使うためのドライバースキルの検討、従来車と自動運転車の双方が混在した場合の課題検討などだ。
CSRCは2011年の設立以降、予防安全や脇見運転のリスク低減、子どもや高齢者といった交通弱者の保護に焦点を当てた研究を行ってきた。これまでに、17の研究機関などと34の研究プロジェクトを実施し、これらの内7プロジェクトを完了している。
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