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見える、見えるぞ! 人の姿が――キヤノンのMRシステムが人物合成に対応製造ITニュース

キヤノンMJ IT グループのキヤノンIT ソリューションズは、MR(Mixed Reality)システム「MREAL」を使い、実在の人物全体を3D仮想映像空間内に合成表示する人物合成映像システムの提供を開始する。

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 キヤノンMJ IT グループのキヤノンIT ソリューションズ(以下、キヤノンITS)は2014年8月26日、MR(Mixed Reality)システム「MREAL」を使い、実在の人物全体を、3D仮想映像空間内に他の物体との正しい前後関係を保ちながらリアルタイムに合成表示するシステムの提供を開始することを発表した。

 MR(Mixed Reality)とは、バーチャルリアリティー(仮想現実)技術の一種で、現実と仮想を違和感なくシームレスにリアルタイムで融合させる映像技術のことだ。例えば、今見えている視界に実際には存在しない自動車を映し出したり、部屋に仮想の家具を配置するようなことができる。

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MREALの使用イメージ

 キヤノンではこのMR技術の研究開発を重ね、2012年7月にMREALを製品化。そのシステムインテグレーションをキヤノンITSが担い、製造業などを中心に展開を進めてきている(関連記事:キヤノンのMR技術が生み出すコミュニケーションの力とは?)。

 MREALは、「ヘッドマウントディスプレイ HM-A1」と基本ソフトウェア「MRプラットフォーム MP-100H」を中心に構成されている。特徴となるのは「実寸大の臨場感」「自由視点の実現」「双方向性の実現」などだ。独自の光学技術と高精度な位置合わせ技術を活用したヘッドマウントディスプレイ(HMD)と位置認識技術などを組み合わせ、移動などを自由に行いながら現実と仮想を組み合わせた世界を自由視点で見ることができる。

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MREALのシステム構成(クリックで拡大)

人物を正しい位置関係で表示

 今回新システムとして提供する人物合成システムは、MRの画面上で正しい位置関係で人物の全体像をリアルタイム合成して表示するもの。従来はマーキング機能を活用し肌色などの色で指定して合成する手段しかなく、顔と手だけが浮いているように表現されていた。正しい位置関係で、客観人物像を合成できるようになることで体形・姿勢・動きなどを同時に把握でき、設計レビューや作業性検証などにおいて、より現実に近い検証作業が可能となる。

 例えば、住宅販売での顧客の身長などに合わせた住設機器の提案や、工場の生産設備設計における作業者の姿勢・動線シミュレーション、車両・大型機械設計での組立・整備性の検証など、仮想物体と人物との関係の検証が求められる用途で活用が想定されている。

 通常のシステムの他に、人物を合成するグリーンバック(ブルーバック)のようなものが必要。またMREALによる主観映像の他に客観映像を表示する場合は、客観映像用の3D外部カメラシステムが必要となる。システム導入に関する想定価格は2000万円から(人物合成システムを含まないMREALの導入価格は1000万円から)。

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人物合成システムの原理(クリックで拡大)

製造業の工程設計や生産ラインシミュレーションに

 同システムは既に新築住宅の内装検証デモなどで試験導入されているが、キヤノンITSでは製造業向けを中心に提案していく方針だという。キヤノンITS 執行役員 MR事業部 事業部長の新井三鉉氏は「MREALの導入企業は現在31社35部門となっているが、その48%が製造業。その他の分野も当然視野に入れているが、当面は製造業の設計・生産現場を中心に提案を進めていく」と話している。

 設計や生産現場において、実際の人物の動きなどを取り込み、シミュレーションするソフトウェアは、ダッソーシステムズやシーメンスPLMソフトウェア、PTCなどのCADベンダーから既に投入されているが、キヤノンITSでは新システムは「これらのソフトと競合するものではない」(新井氏)と強調する。

 「仮想工程設計などのソフトは人物の動きを取り込むのに、結局はモーションキャプチャーなどを行う手間が発生する。新システムはこれらを補完するのに利用できる」(新井氏)。

 キヤノンITSでは、2015年9月までに20システムの販売を目指すという。

photophoto 実写映像(左)と合成映像(右)

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