ソニー、積層型CMOSイメージセンサーの増産に350億円投資:製造マネジメントニュース
ソニーは、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強を目的とした設備投資を、2014年10月から2015年9月にかけて行うことを発表した。
ソニーは2014年7月23日、ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンター(以下、長崎テック)と熊本テクノロジーセンター(以下、熊本テック)において、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強を目的とし、総額350億円に及ぶ設備投資を実施することを発表した。
ソニーでは、主に積層型CMOSイメージセンサーのマスター工程を行う拠点として、ルネサス エレクトロニクスの鶴岡工場を買収し、山形テクノロジーセンター(以下、山形テック)を新設することを2014年1月29日に発表している(関連記事:ルネサスの工場再編にメド、鶴岡工場をソニーに売却)。
今回の新たな設備投資により、長崎テックにおいて、積層型CMOSイメージセンサーに関する重ね合わせ工程(裏面照射型画素と信号処理回路が形成された半導体チップを重ね合わせる工程)とそれ以後の工程を行う製造設備の増強を行う。また熊本テックについては、マスター工程(フォトダイオード製造や配線工程)を行うための製造設備増強を行う。
今回の設備投資により、山形テックでマスター工程を行う半導体チップの一部について、それ以後の必要な工程(重ね合わせ工程を含む)を長崎テックで行えるようになり、積層型CMOSイメージセンサーとしての一貫した生産体制が構築可能となる。
設備投資の総額は約350億円を見込んでおり、その内訳は、2015年3月期(2014年度)実施予定が約90億円(長崎テックで約30億円、熊本テックで約60億円)、2016年3月期(2015年度)実施予定が約260億円(長崎テック)となっている。このうち、2014年度の実施予定分(約90億円)は、2014年5月14日に発表した2014年度の半導体の設備投資見込額(650億円)に含むとしている(関連記事:ソニー、果てしなく続く構造改革と事業縮退――テレビ部門は累積7900億円の損失)。
ソニーでは、イメージセンサーの総生産能力を月産約7万5000枚(300mmウエハー換算)に増強する中長期施策を実施中。今回の投資により、イメージセンサーの生産能力は、現在の月産約6万枚から月産約6万8000枚(2015年8月時点)まで増えるという。
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