日立、複数拠点の施設・設備・機器のエネルギー情報を統合管理するEMSを開発:製造ITニュース
複数拠点に分散するさまざまな施設・設備・機器のエネルギー情報や設備情報を1つのEMSで統合管理できる。1つの機器やオフィスといった小規模な管理から、拠点当たり最大5万点、最大3万拠点までのエネルギー情報や設備情報を扱う大規模な管理まで対応可能。
日立製作所は2014年6月5日、法人向けの統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」を開発したと発表した。同年10月から国内での販売を開始し、2015年4月からは東南アジア向けに販売を開始する予定だ。
これまでエネルギー管理システム(以下、EMS)は、オフィスビルや工場・プラントなど、管理対象が異なる場合には個々のEMS製品が必要とされていた。今回開発されたEMiliaは、複数拠点に分散するさまざまな施設・設備・機器のエネルギー情報や設備情報を1つのEMSで統合管理できるもの。これにより、省エネ・業務効率の向上・BCP対応などが可能となる。
EMiliaは、1つの機器やオフィスといった小規模な管理から、拠点当たり最大5万点、最大3万拠点までのエネルギー情報や設備情報を扱う大規模な管理まで対応可能だ。管理点数の規模や運用形態に応じ、クラウドサーバ型・ローカルサーバ型・ハイブリッド型の3つからシステム構成を選択できる。
また、エネルギーデータや稼働データを統合管理するサービスプラットフォーム「サービスモール」は、ユーザーの他、設備メーカーや分析・コンサル会社などにもアクセス権限を与えることが可能。オンラインでタイムリーにデータ提供できて、専門家による設備運用や更新計画立案、省エネルギー診断サービスの効率が向上するとしている。同社は、2015年度までに1万事業所、2018年までに10万事業所以上の拠点で同サービスの稼働を目指す。
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