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工場のエネルギー最適化、生産管理システムとの連携でIBMが実現スマートグリッド

IBMが提供を開始した工場向けのエネルギー最適化ソリューション「GIView FEMS」の特徴は、工場の稼働状況に応じた計画、管理が可能なことだ。同社の生産管理システム「GIView」が管理する情報を利用することで実現した。

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 電力の供給が不足し、電力料金が次第に高まっていく中、工場の消費電力量を引き下げなければならない状況が広がっている。

 消費電力量を引き下げる取り組みは、大きく2種類に分かれる。まずは工場の稼働状況にかかわらず引き下げが可能なものだ。照明や圧縮機などをより効率の高い装置と交換する取り組みが進んでいる。

 より実現が難しいのが工場の稼働状況に応じた引き下げの取り組みだ。工場内の加工や組み立てなど、刻一刻と変化する状況に応じた引き下げを実現するには、そもそも稼働状況を何らかの形で吸い上げなければならない。これは1日のピーク使用量を管理しようとしたときにも生じる課題だ。

 日本IBMは、2013年2月27日、工場のエネルギー状況を1分単位で調べ、需給を管理することで利用最適化を図るソリューション「GIView FEMS」を発表した(図1)。工場内外のサプライチェーン最適化を支援する同社の生産管理ソリューション「IBM Global Integrated View(GIView)」と、工場に特化したエネルギー管理システム「FEMS(Factory Energy Management System)」を結び付けた形だ。


図1 GIView FEMSの出力画面 消費電力(縦軸、kW)を時刻(横軸)ごとに表示したところ。消費電力の急増がどの装置(センサー)によるものなのかが分かる。出典:日本IBM

 GIView FEMSは、もともと米IBMがニューヨーク州に構える半導体工場で2012年から稼働している社内ソリューションである。同工場ではISO 50001が定めるエネルギー使用量の継続的な改善計画に同ソリューションを適用している。稼働実績をエネルギー需要管理のノウハウに体系化できたことで、今回の外販へとつながったという。

生産計画と連携

 GIView FEMSの特徴は、工場全体の電力需要だけではなく、工場内の装置モジュールごとに詳細なエネルギー利用状況を収集し、見える化できることにある。これはGIViewが内蔵する製造実行システム(MES)コンポーネントと連携したことで実現できた*1)

*1) GIView以外の生産管理システムと連携することもできる。

 エネルギー監視の次の段階は、生産計画や実績を考慮にいれたエネルギー効率化だ。需給予測と組み合わせることでコストの最適化を図ることもできる。万一供給電力に問題が起こったとしても、生産に及ぼす影響を最小化できるという。

 GIView FEMSの最小導入価格は500万円。この価格には、装置に取り付けるセンサー48個と、ソフトウェア、設置費用が含まれている。GIViewを導入していないユーザーであっても最小導入価格でFEMS機能を利用できる。

変更履歴:記事公開後に、図1を追加しました。

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