モデルベース開発を成功させるには相応の投資が必要です:モデルベース開発奮戦ちう(3)(4/4 ページ)
モデルベース開発を行うにはさまざまなツールを購入する必要がある。事業担当者にとってツールの選定と予算確保は悩みの種。それは、主人公の京子の上司である山田課長にとっても例外ではなかった。
果たして結果は……
モデルベース開発課では山田課長の帰りを待っていた。私も含めてみんなそわそわして、予算が降りるかどうか不安そうな様子だ。
そしてついに、山田課長が帰ってきた。ゆっくりと席まで戻って深く息をつくと、大きくVサインを出した。
やったー!
誰かが叫ぶ。
尾上取締役の後押しもあって、モデルベース開発のための予算は全会一致で承認されたそうだ。
予算は降りたけど、絶対成功させる必要があるわ。何しろ尾上取締役からは……
モデルベース開発関連の進捗報告は毎月行ってもらうからそのつもりで。
ってクギを刺されているし。みんな、これから忙しくなるわよ。頼むわね。
課長、望むところですよ。任せてください。
制御チームリーダーの大島さんをはじめ、皆が一様にうなずいた。
またまた前のめってきた〜!
私は何だかワクワクしていた(以下、次回に続く)。
執筆者プロフィール
JMAAB/今さら聞けないMBD委員会
JMAABのWebサイト http://jmaab.mathworks.jp/
モデルベース開発(MBD)を発展させるべく、自動車メーカーとサプライヤからなる団体『JMAAB』は13年前(2001年)に生まれました。このJMAABの10周年記念において、「MBDを分かりやすく伝えたい」という目的で発足したのが『いまさら聞けないMBD委員会』です。委員会メンバーが所属する10社でMBDを推進してきたエンジニアが協力し、これまでの経験や将来の夢を伝えるべく推敲を重ね、本連載は完成しました。皆さまのモノづくりの一助となれば幸いです。
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