ボッシュが48Vハイブリッドシステムを提案、CO2排出量を18%削減可能:人とくるまのテクノロジー展2014
ボッシュは、「人とくるまのテクノロジー展2014」において「48Vハイブリッドシステム」を提案。CO2排出量を従来比で5〜18%削減できるという。
ボッシュは、「人とくるまのテクノロジー展2014」(2014年5月21〜23日、パシフィコ横浜)において「48Vハイブリッドシステム」を提案した。
現在、ドイツの自動車メーカーが中心になって48V車載電源システムの仕様策定が進められている。48V車載電源システムは、現行の鉛バッテリーによる12Vの車載電源システムと比べて電圧が高いので、電動パワーステアリングやエアコンなどの高出力のアクチュエータを用いるようなシステムの電力効率を高められるという特徴がある。
48V車載電源システムを採用する場合は、出力電圧が48Vのリチウムイオン電池パックと、既存の車載システムを動作させるための48Vを12Vに降圧するDC-DCコンバータなどが必要となる。今回ボッシュが出展した48Vハイブリッドシステムは、48V車載電源システムに対応する「BRM(Boost Recuperation Machine:ブースト回生マシン)」と呼ぶスターターモーター兼発電機を低速走行時のトルクアシストにも利用しようというものだ。
スターターモーターを使って低速走行時のトルクアシストを行っているハイブリッドシステムといえば、日産自動車の「セレナ」が採用している「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」が挙げられる(関連記事:日産「セレナ」がマイクロハイブリッド化、燃費は4%向上の15.2km/lに)。しかしS-HYBRIDの場合、モーターの出力は1.8kWに過ぎない。これに対して、「48VハイブリッドシステムのBRMの出力は最大で11.5kWに達する。低速走行時のトルクアシストとしては十分な出力だ」(ボッシュの説明員)という。また、48Vハイブリッドシステムでは、減速時のエネルギー回生やアイドルストップなども可能になるので、CO2排出量は採用前と比べて5〜18%削減できるとしている。
ボッシュの48Vハイブリッドシステム。左から、48Vを12Vに降圧するDC-DCコンバータ、出力電圧が48Vのリチウムイオン電池パック、エンジンECU、インバータを組み込んだ48V対応の「BRM」の順番で並んでいる(クリックで拡大)
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