日立オートモーティブシステムズがメキシコに新工場――自動車メーカー進出に対応:工場ニュース
日立オートモティブシステムズは、メキシコにピストンやアルミダイキャストなどの自動車部品を生産する新工場を建設する。
日立オートモティブシステムズは2014年5月5日、メキシコで新工場建設を開始したことを発表した。建設するのは、同社のメキシコにおけるグループ会社の1つである日立オートモティブシステムズ メヒコで、自動車機器システムを製造する。
メキシコは、NAFTA(メキシコ、米国、カナダの北米自由貿易協定)や、メルコスール(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)とメキシコ間で締結された特恵貿易協定により、無関税で自動車部品を輸出できる環境が整っている。そのため、中南米を含む米州全域向けの自動車製造拠点として発展を続けており、海外自動車メ-カ-の工場進出が増加している。
自動車機器システムメーカーにとっても自動車メーカーの動きに合わせて、メキシコにおける生産能力の確保と、地域のニーズへの対応が重視されるようになっており、現地への工場進出が増加している。
これらの流れから、日立オートモーティブシステムズも、米州全域の自動車メーカーへの供給能力を強化するため、同グループとしては5番目、日立オートモティブシステムズ メヒコとしては3番目の工場を、メキシコ州レルマに建設することを決めた。
新工場を建設するために買収した敷地面積は18万m2で2015年5月に生産を開始する予定だ。当面は、自動車部品のピストンおよびアルミダイキャストを製造し、徐々に生産品目を拡大していく予定だという。
海外の現地法人は? アジアの市場の動向は?:「海外生産」コーナー
独立系中堅・中小企業の海外展開が進んでいます。「海外生産」コーナーでは、東アジア、ASEANを中心に、市場動向や商習慣、政治、風習などを、現地レポートで紹介しています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ホンダが「フィット」の生産工場をメキシコで稼働、寄居工場の技術を展開
ホンダのメキシコの新四輪車工場(グアナファト州セラヤ市)が稼働を開始した。メキシコを含む北米仕様の新型「フィット」を生産し、2014年後半には「ヴェゼル」に相当するフィットベースの小型SUVの生産も開始する予定である。フル稼働時の年間生産能力は20万台。 - マツダ、メキシコに建設中の新工場でSKYACTIVエンジンの生産体制を強化
「デミオ」(海外名:Mazda2)や「アクセラ」(海外名:Mazda3)に搭載するSKYACTIV技術のエンジンを生産予定。年間生産能力は23万基規模で、操業開始予定は2014年10月。 - シーシーエス、テキサス州エル・パソにテスティングルームを開設
エリア実験室(照明実験室)を備え、画像処理用LED照明の種類は100以上。アメリカ西部、南部、メキシコへの事業展開を強化する。 - 製造業の米国回帰を後押しする“4つの波”とは?
日本からは中国やASEANなど低コスト国への工場の流出が続いているが、同じ高コストの先進国である米国では工場を米国内に戻す動きが増えているという。早くに製造業の空洞化が指摘された米国で何が起きているのか。JETRO海外調査部北米課に聞いた。