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EV向けワイヤレス充電システムの早期実用化へ、TDKがWiTricityと提携:電気自動車
TDKは、磁界共鳴方式のワイヤレス充電システムに関する特許を多数保有するWiTricityとライセンス契約を結んだ。このライセンス契約を契機に、電気自動車(EV)をはじめとするモビリティ向けワイヤレス充電システムの早期実用化を目指す方針である。
TDKは2014年4月28日、磁界共鳴方式のワイヤレス充電システムに関する特許を多数保有するWiTricityとライセンス契約を結んだと発表した。TDKは、このライセンス契約を契機に、電気自動車(EV)をはじめとするモビリティ向けワイヤレス充電システムの早期実用化を目指す方針である。
現在販売されているEVは、電力伝送用のケーブルをコネクタに接続して充電する必要がある。ワイヤレス充電システムを使えば、駐車場などに設置した送電側コイルと、車両側に搭載する受電側コイルの位置を合わせるだけで、ケーブル接続することなく充電できるようになる。さらに磁界共鳴方式の場合、送電側コイルと受電側コイルの位置ずれが大きくても、比較的高い効率で充電できるという特徴がある。
TDKは2009年に、スマートフォンなど小型電子機器向けのワイヤレス充電用コイルユニットを開発し、既に生産/販売している。2010年からは、磁界共鳴方式を用いたEV向けのワイヤレス充電システムを開発を開始しており、2013年10月の「CEATEC JAPAN 2013」では、世界最小クラスの受電側コイルを用いたシステムを展示するなどしていた(関連記事:EV向けワイヤレス充電の技術開発が進展、トヨタも2014年に実証実験を開始)。
TDKが「CEATEC JAPAN 2013」で展示したワイヤレス充電システム。受電側コイルはA4ノートサイズで、体積は従来比で4分の1に低減した。この受電側コイルと組み合わせて用いるワイヤレス充電システムの出力は3.3kWである(クリックで拡大)
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