現代重工業がダッソーの船舶・オフショア開発向けシステムを採用:製造IT導入事例
現代重工業はダッソーの船舶・オフショア開発向けシステムを採用したと発表した。海洋開発プロジェクトの複雑性に対応。
韓国の現代重工業は、海洋構造物の設計とエンジニアリングに、仏Dassault Systemes(以下、ダッソー)の船舶・オフショア開発向けシステムを採用したことを明らかにした。採用を受けたダッソーが2014年4月24日(欧州時間)に発表した。
現代重工業では、大規模で複雑さが増す海洋開発プロジェクトにおいて、設計、エンジニアリング、プロジェクト管理のための統合基盤が必要であるという認識から、新たなソリューションの導入を検討。今回、現代重工業のOffshore & Engineering 部門で、ダッソーの3Dエクスペリエンス・プラットフォームの採用を決めたという。
採用するのはダッソーの設計開発の統合基盤である「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」と、同社が業界別で展開する船舶・オフショア開発向けの「インダストリー・ソリューション・エクスペリエンス」。
具体的には、「オン・タイム・トゥー・シー」および「デザイン・フォー・シー」などの海洋構造物に特化したソリューションを導入するという。「オン・タイム・トゥー・シー」は、複雑な海洋構造物の開発における計画立案と管理を可能にする、統合されたプログラム管理ソリューションで、ユーザー企業は完成までの期間を短縮できるという。一方、「デザイン・フォー・シー」は、設計プロセス全体を通して要件、規制、海洋エンジニアリングの各専門分野をつなぐソリューションで、リアルタイムな3次元シミュレーションと解析機能により、複数の設計案の評価や検証を行えることで、作業生産性の向上と初期設計の精度向上が可能だとしている。
ダッソーでは、ここ数年「3Dエクスペリエンス」とする統合基盤の提案を進める一方、「インダストリー戦略」として産業別、業界別の提案を強化(関連記事:ダッソーが狙う「12×12×3」――日本で2016年に売上高500億円以上を目指す)。業界に応じた最適なソリューション提案を「エクスペリエンス」としてまとめた提案を進めている。
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