凸版印刷が群馬に軟包材のマザー工場を建設、メイドインジャパンの技術力を発揮:工場ニュース
凸版印刷は群馬県邑楽郡に最先端の包装材を製造する群馬センター工場を建設した。国内だけでなくグローバルを見据えたマザー工場と位置付け、新技術・新製品の開発を推進していく。
凸版印刷は2014年4月14日、最先端の包装材を製造する群馬センター工場(群馬県邑楽郡明和町)を完工した。同社では、新工場を国内だけでなく市場拡大が見込まれる海外の軟包材生産のマザー工場と位置付け供給体制を強化するとともに、新技術・新製品の開発を推進していく。
新工場は、敷地面積が約15万m2、延べ床面積が約7万m2となる。ハイバリア軟包材を中心に、食品やヘルスケア、産業資材分野などに向け、製品を提供していく予定だという。
食品安全システム規格「FSSC 22000」に準拠したクリーンな生産環境とともに、最先端の検査機器の活用、トレーサビリティの仕組み強化などによる高度な品質管理を行う他、ICカードや静脈認証システムによる入退場管理はもちろん、入場者別・エリア別のレベル管理を導入。徹底した管理体制により、高いセキュリティ性を実現している。
最新の製造設備や、在庫管理システムなど高度なFAシステムの導入により、生産性向上を図る。また、従来培ってきた表面加工技術や成型加工技術を生かし、素材開発から商品開発、生産まで一貫したパッケージビジネスを展開する計画だ。その他、VOC循環システムによる液化VOCの燃料利用・再利用や、コージェネレーションシステムによる自家発電や廃熱利用など、スマートファクトリーの実現に取り組む。
海外進出だけが能じゃない! 今こそ光るニッポンのモノづくり:「メイドインジャパンの逆襲」コーナーへ
「国内市場の縮小」「生産による差別化要素の減少」「国内コストの高止まり」などから、日本の生産拠点は厳しい環境に置かれている。しかし、日本のモノづくり力はいまだに世界で高く評価されている。一方、生産技術のさらなる進歩は、モノづくりのコストの考え方を変えつつある。安い人権費を求めて流転し続けるのか、それとも国内で世界最高のモノづくりを追求するのか。今メイドインジャパンの逆襲が始まる。「メイドインジャパンの逆襲」コーナーでは、ニッポンのモノづくりの最新情報をお伝えしています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- モノの“質感”を画像として記録・再現する「質感表示技術」を開発、凸版印刷
凸版印刷は、モノのざらつき感や光沢感といった“質感”を記録・再現することが可能な「質感表示技術」を開発した。モノの色に加え、微細な凹凸、光沢特性といった質感情報をデジタル撮影によって記録し、CGで再現できるという。 - 新型「フィット」を作り出す最先端技術の数々――ホンダが寄居工場を公開
ホンダは、新型「フィット」などの生産工場である埼玉製作所寄居工場(埼玉県大里郡寄居町)を公開した。同工場は、「環境負荷の小さい製品を最も環境負荷の小さい工場で作り出す」というコンセプトのもと、最先端の生産技術の導入によって高効率な生産体質を構築している。 - タイヤ製造工法に「革命」を起こす東洋ゴム仙台工場、会長が語る“逆の発想”
シンプルであるが故に抜本な改革が起こりにくいタイヤ技術。しかし製造工法に革命を起こし海外に打って出ようという日本企業がある。国内シェア4位の東洋ゴム工業だ。新工法を展開する仙台工場を小寺信良が訪ね、同社の中倉健二会長にインタビューした。 - 「レッツノート工房」に見るパナソニックの強さ――同質化競争を逆手に取れ
コモディティ化が進むPC市場で、逆に「一品一様」など顧客のニーズに応えることで差別化を図るのがパナソニックだ。外部委託が多いPC業界において同社は自社開発、自社生産を貫き強さを見せる。「手づくりレッツノート工房」において、パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の事業部長を務める原田秀昭氏および、プロダクトセンター所長の清水実氏に話を聞いた。