ADLINK、「Intel Intelligent Systems Alliance」のプレミアムメンバーに:企業動向
台湾ADLINK Technologyの日本法人であるADLINKジャパンは、東京都内で記者説明会を開催し、“2014年の主要なマイルストーン”として、「Intel Intelligent Systems Alliance」のプレミアムメンバー認定と、独PENTA社の買収の2つを挙げた。
台湾ADLINK Technology(以下、ADLINK)の日本法人であるADLINKジャパンは2014年3月26日、記者説明会を開催。ADLINKの“2014年の主要なマイルストーン”として、インテルが推進する「Intel Intelligent Systems Alliance」のプレミアムメンバーに認定された(アソシエイトメンバーからの昇格)ことと、独PENTA社の買収の2つを挙げた。
Intel Intelligent Systems Allianceは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を背景とした“インテリジェントシステム”の構築を支援するハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ツールなどを提供する企業で構成されている。インテルによると「ADLINKとの長年のパートナー関係に加え、最新アーキテクチャをいち早く取り入れる姿勢、マーケティング活動、販売力、企業戦略・方向性などを高く評価し、このたび世界で5社目のプレミアムメンバーとして認定した」という。なお、Intel Intelligent Systems AllianceのプレミアムメンバーはADLINKの他、Advantech、Dell OEM、Kontron、Portwellが名を連ねる。
また、今回の認定に大きく貢献したとされるのが、インテルの「Intel Industrial Solutions System Consolidation」シリーズへの製品採用だ。Intel Industrial Solutions System Consolidationは、産業用システムの仮想化と統合化を実現するためのハードウェアおよびソフトウェアが含まれたソリューション。複数OSを共存可能にするハイパーバイザー技術を用い、多数の異なるシステムを単一のプラットフォームに統合できるため、システム機器のフットプリントの小規模化やシステム統合による複雑化の解消などに役立てられる。この最初のハードウェアプラットフォーム(産業用ワークロード・コンソリデーション・プラットフォーム)として、ADLINKのファンレス組み込みコンピュータ製品「Matrix MXE-5301」が認定されたのだ。
Intel Intelligent Systems Allianceのプレミアムメンバー認定により、両社のパートナーシップはより強固なものになる。これについて、ADLINK Technology 社長 ダニエル・ヤン氏は「今後、インテルの最新アーキテクチャに基づく製品ファミリをいち早く投入できるようになり、これまで以上に競争力を高め、顧客に対してもより良いサービスを提供できるようになるだろう。また、セールス/マーケティングにおいても、インテルと共同で行っていくことになるので、市場での(ADLINKの)プレゼンス拡大に期待している」と述べる。
もう1つのマイルストーンとして挙げられたのが、PENTAの100%株式買収だ。独デッゲンフドルフおよびプッフハイムを拠点とするPENTAは、医療、産業用自動化、食品・飲料、物流といった分野で、組み込みシステムの研究開発、製造・販売を行っている。特に医療用組み込みPCシステム/モニターなどの設計・生産に関する広範な経験とノウハウを有しており、今後、PENTAのノウハウやリソースを活用することで、ADLINKの医療用製品ラインを強化する方針だ。
「Intel Intelligent Systems Allianceのプレミアムメンバーへの昇格は、われわれの事業戦略をさらに前に進めることになるだろう。また、今回のPENTAの買収は、全体的な事業戦略に合致したものであり、将来の成長・展開への布石である。2014年に入りまだ数カ月だが、この2つの出来事はADLINKにとって大きなマイルストーンといえる」(ヤン氏)。
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