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インテリジェントシステムの旗の下、強い存在感を示すIA+WindowsプラットフォームリテールテックJAPAN2013(1/2 ページ)

2013年3月5〜8日の4日間、東京ビッグサイトで第29回 流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN2013」が開催された。本稿では、小売業分野で強い存在感を示す、インテルと日本マイクロソフトのブースを中心にリポートする。

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リテールテックJAPAN2013

 近年、私たちの生活シーンの中に、デジタルサイネージやタッチディスプレイを搭載した自動販売機の存在が目立つようになってきた。それも従来のように、単に商品の情報やCMをたれ流すのではなく、画面に注目している人、あるいは近寄ってきた人の属性(年齢・性別など)を判断し、その人にとって最適な情報を提供することができるデバイスが増えつつある。こうした小売業におけるデバイスの進化は、そのターゲットであるわれわれ消費者の購買体験のみならず、商品を開発・提供する企業側のビジネスの在り方も大きく変えようとしている。

 皆さんは「インテリジェントシステム」という言葉をご存じだろうか。昨今のネットワーク機能を搭載したデバイスの急増を背景に、デバイス同士あるいはデバイスとクラウドのようなネットワークサービスとの接続が当たり前になってきた。これにより、デバイスに搭載されているセンサーなどからの情報を、単にそのデバイス上で活用するのではなく、ネットワークを介して、他のデバイスやネットワークサービスに展開することが可能になった。あらゆるモノ同士がつながる“モノのインターネット(Internet of Things)”時代の到来である。インテリジェントシステムとは、こうしたあらゆるデバイスやセンサーから吸い上げられる無数の情報(ビッグデータ)の中から、“価値のあるデータ”を作り出す概念・仕組みのことを指す。

 例えば、複数のデバイスおよびセンサーから収集された情報を、エンタープライズシステムといったバックエンド基盤側でリアルタイムに分析・解析し、それを新たなビジネス展開や商品企画・開発、あるいはサービスの向上などにつなげていく。つまり、インテリジェントシステムは、商品を開発・提供する企業側にとって大きなビジネスチャンスを生み出すきっかけになり得ると同時に、対価を支払い、それを享受する消費者の購買体験をも革新する大きな可能性を秘めている。



 こうしたトレンドを背景に、インテルと日本マイクロソフトは、2013年3月5〜8日の4日間、東京ビッグサイトで第29回 流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN2013」で肩を並べて出展し、小売業におけるインテリジェントシステムのカタチを示した。

東京ビッグサイト
第29回 流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN2013」の会場となった東京ビッグサイト。多くの来場者でにぎわっていた

 あらゆるデバイスから情報を「収集」「蓄積」し、それを「分析」「解析」し、次に「生かす」。インテリジェントシステムを支えるこうした一連の流れを作り出すには、高度なコンピューティング能力を備えたデバイス、そして、標準化されたプラットフォームの存在が欠かせない。それがインテルで言うところのインテルアーキテクチャ(IA:Intel Architecture)であり、日本マイクロソフトで言うところのWindowsプラットフォームだといえる。

実用レベルの展示が多数! 小売業におけるインテリジェントシステム

 「小売業のフロントに設置されるデジタルサイネージや自動販売機などのデバイスが高性能化、高解像度化、ネットワーク化していくことで、設置する側の企業、ショップの店員、そして顧客(来店者)といった、それを使うであろう全ての人にとって、どのような価値を提供できるか。今回の展示デモでは、その具体例として、小売業におけるインテリジェントシステムの在り方を提示している」とインテル 広報室 水川治昭氏は語る。

 まずはインテル・ブースを中心にその模様を紹介する。

インテル・ブース
インテル・ブース

ARを活用した次世代自動販売機

 インテル・ブース内でひときわ注目を集めていたのは、イオンディライトが参考展示していた「わたしのフェイバリット自販機」。自動販売機+高解像度タッチディスプレイ+カメラ+高性能コンピュータを組み合わせた次世代自動販売機の試作機で、インテル、イオンディライト、ブイシンク、サンデンの4社が共同開発したものだ。自動販売機に組み込まれているタッチディスプレイを利用し、飲料の販売やCMの配信だけではなく、AR(拡張現実:Augmented Reality)を活用した双方向コンテンツのデモ(眼鏡のバーチャル試着、映画コンテンツの紹介など)を実演して見せた。

わたしのフェイバリット自販機わたしのフェイバリット自販機の説明 「わたしのフェイバリット自販機」。インテル、イオンディライト、ブイシンク、サンデンの4社が共同開発した

 現在、イオンモールなどでの設置展開を目指し、双方向コンテンツを活用した来店促進につながるようなサービス提供を検討している最中だという。「こうした自動販売機を店頭に設置することで、双方向コンテンツによる来店促進だけでなく、広告媒体としての価値提供(各店舗の広告スペースとしての利用価値)、そして、属性データとひも付いた販売データの活用(飲料メーカーへのフィードバック)などが図れる」(水川氏)。なお、自動販売機とデジタルサイネージ機能のみが搭載されたベース筐体が、2013年3月5日にオープンしたばかりのイオンモール春日部(埼玉県)に設置されているそうだ。

 また、自動販売機に近いものとして、無人店舗を実現する「ZoomShop」をZoomSystems Japanが紹介していた。展示会場では、通販化粧品ブランド「PROACTIV(プロアクティブ)」の商品を販売する自動型小売店舗システムを設置し、デモを行っていた。従来タイプ(非IA)のものは日本全国で100台弱設置されているが、今後、IAが搭載されている新モデルを展開していく計画だという。「従来設置されているものは、消費者がタッチパネルで商品の情報を閲覧・購入するようなシステムだが、新モデルでは、消費者の属性を判断し、オススメの商品をこちらから訴求することも可能になる」(デモ説明員)。

無人店舗を実現する「ZoomShop」無人店舗を実現する「ZoomShop」の説明 無人店舗を実現する「ZoomShop」

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