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インテリジェントシステムの旗の下、強い存在感を示すIA+WindowsプラットフォームリテールテックJAPAN2013(2/2 ページ)

2013年3月5〜8日の4日間、東京ビッグサイトで第29回 流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN2013」が開催された。本稿では、小売業分野で強い存在感を示す、インテルと日本マイクロソフトのブースを中心にリポートする。

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インタラクティブなデジタルサイネージ

 デジタルサイネージの新しい形として示されていたのが、表情豊かな可愛らしいアニメキャラクターとの会話を楽しめる「CeVIO Vision」だ。既に、アニメ専門展「アニメイト秋葉原店」で実運用(2013年1月22日より)されており、店内や商品に関する情報を等身大キャラクターの「さとう ささら」が音声で発信する他、マイクを通じて、来店者とのインタラクティブな会話を実現する。「ささらちゃんは、合成音声で話すので、テキスト文章さえあればどんな長文でもしゃべってくれる。そのため、日々変わる商品情報などを毎回収録・録音するといった手間が不要。今後は、2人目、3人目の新キャラクターの登場も予定している」(説明員)という。


「CeVIO Vision」「CeVIO Vision」の説明 表情豊かな可愛らしいアニメキャラクターとの会話を楽しめる「CeVIO Vision」。OSは、Windows Embeddedを採用しているという

 同じくインタラクティブなデジタルサイネージを展示していたのは、東京エレクトロン デバイスだ。マイクロソフトのセンサーデバイス「Kinect for Windows」を搭載した、32インチの大型デジタルサイネージ(OSは、Windows Embeddedを採用)。通常時は、一般的なサイネージとして動画コンテンツなどを配信しているが、人が近づいたことをKinect for Windowsセンサーが検知すると、ワインが注がれる音や談笑する人の話し声の効果音がBGMとして流れ、サイネージ端末の画面が、テーブルの上に料理が並べられていく映像に切り替わる。この変化に興味を持った人が、さらにサイネージ端末に近づくと、ジェスチャー操作により解答できる、ワインクイズが出題される。2012年12月3日から2013年1月31日までの期間、ダイナックが運営する有楽町ワイン倶楽部の店頭で実証実験が行われたことでも知られている。

「Kinect for Windows」を活用したインタラクティブデジタルサイネージ
「Kinect for Windows」を活用したインタラクティブデジタルサイネージ

 近年、その手軽さから、Kinect for Windowsを活用したデジタルサイネージ向けのソリューションに注目が集まっている。日本マイクロソフト・ブース側での展示だったが、デザイニウムは「えがおdeクーポン」というクーポン配布型サイネージの展示デモを行っていた。Kinect for Windowsを用いたサイネージシステムの前に立ち、手を上げて撮影スタート。カメラに向かって笑顔を作ると、クーポン券がもらえるという仕掛けだ。

「えがおdeクーポン」
デザイニウムのクーポン配布型サイネージ「えがおdeクーポン」

集めたデータをどう生かすか?

 さらにインテル・ブースでは、来店者のショッピング行動を分析し、その後のマーケティングおよび利益向上に活用する「LightHaus Visual Customer Intelligence(VCI)」(開発元:LightHaus Logic)を紹介。店内のビデオカメラの映像を活用し、来店者数や来店者のショッピング行動を評価するシステムである。その分析結果をビジュアルで表示。店舗のレイアウト改善やスタッフの配置位置の見直しなどに活用し、顧客コンバージョン率を向上させるという。「これは、ビッグデータをどのように活用するかを示した事例。VCIは、米国のスポーツファッション専門店Foot Lockerで実際に導入され、効果を上げている。例えば、フロアごとの来店者の動きを分析・解析して、商品をどこに、どのように置くかなどの店舗運営や経営判断に活用しているそうだ」(水川氏)。

「LightHaus Visual Customer Intelligence」(1)「LightHaus Visual Customer Intelligence」(2)

「LightHaus Visual Customer Intelligence」(3)「LightHaus Visual Customer Intelligence」(4) 顧客コンバージョン率の向上を実現する「LightHaus Visual Customer Intelligence」

気になる小売業向け「Windows Embedded 8」は?

 一方の日本マイクロソフト・ブースで注目したのは、Windows 8ベースの組み込みOS製品群の中で、小売業・製造業・医療分野に展開することを狙った新OS「Windows Embedded 8 Industry」の存在だ。従来の「Windows Embedded POSReady」シリーズの後継に当たる製品といえる。リテールテックJAPAN2013では、公開されたばかりのCTP(Community Technology Preview)版を用いたPOSシステムの展示デモを幾つか見ることができた。

日本マイクロソフト・ブース
日本マイクロソフト・ブース

 SCALAは、Windows Embedded 8 Industry CTP版を搭載したPOS端末(Protech Systems製)と、「Windows Embedded Standard 7」を搭載したサイネージプレーヤー(IBASE Technology製)、「Windows Embedded Server 2008 R2」を搭載したサーバ(QNAP Systems製)、2台のディスプレイを用い、ファストフード店をイメージしたデモを実演した。POS端末の画面上(Windows 8のようなUI)から、例えば、提供までの待ち時間をセットしたり、割引や品切れ情報を簡単なタッチ操作で設定したりすることが可能で、その設定情報を瞬時に他のPOS端末や来店者用のディスプレイ(メニューが表示されているパネル)に反映できるのが特徴。

SCALAが実演したファストフード店をイメージしたデモ
SCALAが実演したファストフード店をイメージしたデモ

 また、数はあまりなかったが、他にもWindows Embedded 8 Industry CTP版を搭載したPOS端末として、NECインフロンティアの「TWINPOS G5」、東芝テックの「QT-10」の展示も行われていた。

NECインフロンティアの「TWINPOS G5」東芝テックの「QT-10」 Windows Embedded 8 Industry CTP版を搭載したPOS端末。(左)NECインフロンティアの「TWINPOS G5」と(右)東芝テックの「QT-10」

 ちなみに、インテル/日本マイクロソフト・ブースの中間付近には、リテール向けのタブレットソリューションとして、Windows 8を搭載した最新のUltrabookやタブレットPCなどの展示が行われていた。

Windows 8
Windows 8を搭載した最新のUltrabookやタブレットPCなどの展示。これらも小売業の現場で活躍するデバイスの1つとして位置付けられている

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