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「どのデバイスが最適か?」――モーションセンサー3機種を徹底比較!!モーションセンサーで組み込み機器はどう変わる?(4)(4/4 ページ)

数あるモーションセンサーデバイスの中から「Kinect for Windows」「Creative Senz3D/Intel Perceptual Computing」「LEAP Motion」の3つを取り上げ、各デバイスの機能や特徴を、ハードウェア/ソフトウェアの両面から比較する。また、開発者向けに提供が開始された「Kinect for Windows V2」についても紹介する。

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各デバイスとも、アイデアを形にしやすい環境が整っている

 ここまで、各モーションセンサーをハードウェア面とソフトウェア面から比較してきました。認識範囲や精度の違い、SDKが提供する機能の違いを理解することで、どのような場面で、どのような使い方ができそうか、またそのアイデアを具体化するにはどのデバイスを選択するのが最適かが見えてくると思います。

 現在は、どのデバイスもUSB接続による外付けデバイスとして位置付けられているため、「組み込み機器」としての活用はまだ先かもしれません。ですが、この形態は、モーションセンサーの活用が注目される大きな要因になっているといえます。

 デバイスが入手しやすく、USBでつなぐだけで簡単に扱えること、SDKが充実していて開発者がアイデアを形にしやすい環境が用意されていることは、モーションセンサーデバイスを活用した製品開発のハードルをぐっと下げ、開発者を増やす結果につながっています。

 一部、組み込み向けに提供されているモーションセンサーモジュールもありますが、SDKが用意されていないなど、アプリケーション開発者向けの情報が不足していることで、開発コストや導入のハードルが高くなっています。

 今回紹介した3つのモーションセンサーデバイスは、汎用的なデバイスであり、組み込み機器向けという位置付けではないものの、同じセンサーを使っている開発者が多く、情報交換も活発に行われているのが魅力です。

Kinect for Windows V2

 では、最後にKinect V2の情報を少し紹介します。Kinect V2は、2013年11月より一部の開発者向けにDeveloper Preview版の提供が開始されており、現行のKinect(以下、Kinect V1)に比べて、カラーカメラや距離センサーの性能が向上しています。距離センサーは、従来のLight Coding方式からTOF方式に変更され、より精密な距離画像データを取得できるようになっています。

※注:なお、ここで紹介しているKinect for Windows V2のソフトウェアやハードウェア、APIは暫定的なものであり、正式版では変更される可能性があります(This is preliminary software and/or hardware and APIs are preliminary and subject to change.)。



Kinect for Windows V2
図18 Kinect for Windows V2(Developer Preview版)の外観
Kinect for Windows V2のハードウェア仕様
表4 Kinect for Windows V2のハードウェア仕様

 Kinect V2のSDKは、まだ開発中の段階のため全ての機能が出そろっていませんが、スケルトントラッキングも従来の20点から25点に増えて、「左手指先」「右手指先」「左手親指」「右手親指」「首」の追跡ができるようになっています。指先の検出が可能になったことで、従来は手の開閉までしか取れませんでしたが、「グー」「チョキ」「パー」を判別できるようになりました。

 また、同時に2人までだったスケルトントラッキングが、Kinect V2では同時に6人まで可能になります。

Kinect for Windows V2のスケルトントラッキング
図19 スケルトントラッキングの比較。Kinect for Windows V1(左)とKinect for Windows V2(右) ※画像クリックで拡大表示

 距離センサーから取得した画像も、Kinect V1とV2を比べてみると精度が向上していることがよく分かります。人物の背景除去を行う機能も、手指のフチがKinect V1に比べてきれいに取れるようになっています。

距離センサー
図20 距離センサー画像の比較。Kinect for Windows V1(左)とKinect for Windows V2 ※画像クリックで拡大表示
背景除去
図21 背景除去の比較。Kinect for Windows V1(左)とKinect for Windows V2(右) ※画像クリックで拡大表示

 このように、Kinect V2では、全体的に性能が向上しています。従来のKinect V1と比べて実現可能なことが増え、活用場面の広がりそうです。また、今後のさらなるSDKの進化に期待です!



 今回は、モーションセンサーデバイスの機能や特徴を比較し、紹介してきました。各デバイスとも単体では動作せず、PCのUSBポートにつないで利用する必要があります。では、モーションセンサーを活用する場合、どのようなPCを選択するのが最適でしょうか?

 次回は、モーションセンサーを組み込みで活用する際に最適なプラットフォームの1つとして、Windows Embedded OSを取り上げ、モーションセンサーとの組み合わせについて紹介します! (次回に続く)

編集部からのお知らせ:

 MONOistを運営するアイティメディアでは、今年も「製造業向け」バーチャル展示会を開催いたします(会期:2014年2月18日〜3月7日)。「メカ設計」「製造マネジメント」「組み込み開発&エレクトロニクス」「スマートエネルギー」「FA」の5つのEXPOを展開し、国内外のキーパーソン/リーディングカンパニーへのインタビューや講演動画などをお届けします。

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筆者紹介:

茂出木裕也(もでき ゆうや)

東京エレクトロン デバイス エンベデッドソリューション部
フィールドアプリケーションエンジニア


山形県出身。Microsoft Windows Embedded MVP(Most Valuable Professional)アワード受賞者。x86アーキテクチャ・ファームウェア開発(BIOS)のプログラマー職を経て、現在はWindows Embedded OSの技術サポートに従事。組み込み業界でのKinectの可能性にも注目し、各種イベントやセミナーではスピーカーを務める。



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