マイクロソフトがUIの進化を語る、NUIの発展を牽引するKinectとMSRの研究事例:ユーザーインタフェース最新動向(1/3 ページ)
マイクロソフトのモーションセンサーデバイス「Kinect for Windows センサー」が発売されてから間もなく1年がたとうとしている。発売当初から、次世代のユーザーインタフェース「NUI」を手軽に実現できるデバイスとして注目を集め、既に多くの開発プロジェクトが始動している。本稿では、日本マイクロソフトが披露したKinect for Windows センサーを活用した事例およびMicrosoft Researchによる最新の研究成果を紹介する。
マイクロソフトのモーションセンサーデバイス「Kinect for Windows センサー」が発売(2012年2月2日)されてから、間もなく1年がたとうとしている。ご存じ、マイクロソフトの家庭用据え置き型ゲーム機「Xbox 360」のコントローラーデバイス「Kinectセンサー」をベースに、PC向けに開発された製品だ(関連記事1)。
Kinect for Windows センサーを活用した開発プロジェクトは、日本国内で150以上にも!
このセンサーデバイスの登場は、組み込み業界でも多くの注目を集めている。昨年(2012年)行われた組み込み関連の展示会や発表会の場では、Kinect for Windows センサーを活用した製品・ソリューションを数多く見ることができた(関連記事2)。また、アプリケーション開発コンテストなども開催され、この1年間、企業から教育・研究機関まで、幅広い層から支持されてきたことがよく分かる(関連記事3)。
では、Kinect for Windows センサーのリリース以降、開発プロジェクトがどれくらい立ち上がったのだろうか。マイクロソフト ディベロップメント 社長 兼 日本マイクロソフト 最高技術責任者である加治佐俊一氏は、2013年1月28日に行われた記者会見「マイクロソフトの『NUI(Natural User Interface)』への取り組みと、その最新動向について」の中で、次のように説明した。「日本マイクロソフトが認識しているだけで、国内150以上のプロジェクトが動いている。それ以外のもの(認識していないもの)を含めると、実際にはもっと多くのプロジェクトが存在しているはずだ。世界的に見ても、特に米国と日本はKinect for Windows センサーを積極的に開発に取り入れている」。
記者会見では、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所(FATS)が開発し、ニチイ学館が販売する非接触型画像操作システム「Opect」、メディカ出版と九州大学 大学院 芸術工学研究院および長尾病院が共同開発した、介護施設向けゲーム「リハビリウム起立くん」、システムフレンドの体感型 書道フィジカルインスタレーション「AIR SHODOU」のデモを実演。また、会場受け付けには、リゾームの人流計測システム「Hello Counter」が設置されていた。
非接触型画像操作システム「Opect」。脳外科手術や歯科口腔外科において、執刀医が無菌状態と集中力を保ったまま、患者情報を必要なときに表示させ、手術時間の短縮につなげるシステム。東京女子医大などの医療機関で既に利用されている
さらに、東京大学 先端科学技術研究センターと日本マイクロソフトが共同開発した、重度障害者向け活動支援ソリューション「OAK - Observation and Access with Kinect -」の紹介ムービーと簡単なデモも披露された(関連記事4)。
重度障害者向け活動支援ソリューション「OAK - Observation and Access with Kinect -」。脳性まひや脊髄性筋萎縮症などの重度障害を抱える人の任意の動き(口の開け閉めや指の動きなど)を検出し、意思表示や能動的活動を支援するシステム。口の動き(開口)でスライドをめくるデモを披露した
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