エアバスが最新鋭機の構造解析に、シーメンスPLMのCAE統合プラットフォームを活用:製造IT導入事例
エアバスはシーメンスPLMソフトウェアの「LMS Samtech Caesam」をベースにした共通開発環境を構築。安全域の計算におけるエンジニアリングプロセスを管理・自動化できるようになり、設計サイクル全体にかかる時間・コストを大幅に削減したという。
米シーメンスPLMソフトウェアは2014年2月11日(現地時間)、航空機メーカー・仏エアバスの最新鋭機「A350 XWB」シリーズのA350-900を構造解析・検証するプロセスで、CAE統合プラットフォーム「LMS Samtech Caesam」をベースにした共通開発環境が利用されたと明らかにした。
LMS Samtech Caesamは、Siemensが2013年1月に買収したLMSが開発したプラットフォーム。エアバスはLMS Samtech Caesamをベースにして、「ISAMI(Improved Structural Analysis through Multidisciplinary Integration)」という共通開発環境を構築。従来、400種類以上のツールを使っていた構造解析・検証のプロセスを、単一の環境で扱えるようにした。ISAMIの導入によって、安全域の計算におけるエンジニアリングプロセスを管理・自動化できるようになり、設計サイクル全体にかかる時間・コストを大幅に削減したという。
A350-900は、ISAMIを利用して開発された最初の航空機になる。エアバスはA350-900に続き、A350-1000やA320neoといった航空機の構造サイジング・検証にもISAMIを利用。さらに航空機の重量予測用の新ツールをLMS Samtech Caesamベースで開発し、A350-1000の開発に導入しているという。
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