新型「ノア/ヴォクシー」が低床プラットフォームから得た2つのメリット:「セレナ」「ステップワゴン」と比較(3/3 ページ)
トヨタ自動車は、5ナンバーサイズのミニバン「ノア」と「ヴォクシー」をフルモデルチェンジした。新開発の低床プラットフォームの採用により室内空間を大幅に拡大するとともに、ハイブリッドモデルについては「アルファード/ヴェルファイア」では実現できなかった1列目シートから2列目/3列目シートへのウォークスルーが可能になった。
最大の比較ポイントはシート構成
しかし、新型ノア/ヴォクシーとセレナ、ステップワゴンの最大の比較ポイントはシート構成にあるかもしれない。
新型ノア/ヴォクシーとステップワゴンは、2列目がキャプテンシートの7人乗りと、2列目に3人が乗車できる8人乗りを設定している。これに対してセレナは、2列目に3人が乗車できる8人乗りしか設定していない。
新型ノア/ヴォクシーとステップワゴンは、7人乗りの場合、1列目から3列目まで座席間の通路を使って自由に乗員が移動できる「センターウォークスルー」が可能だ。ただし8人乗りの場合には、2列目シートが6:4の分割折りたたみシートになるので、2列目から3列目への移動は行えない。
セレナは、フロントシートと2列目シートの中央部の間で可動させられる「スマートマルチセンターシート」を備える。フロントシートにスマートマルチセンターシートを移動すると2列目と3列目の間で、2列目シートに移動した場合には1列目と2列目の間で乗員が移動できる。また、フロントシートにスマートマルチセンターシートを移動させた状態であれば、2列目シートの左側座席を横にスライドさせて、スライドドアから3列目シートへの乗り降りをしやすくすることもできる。
3列目シートの収納方式にも大きな違いがある。新型ノア/ヴォクシーとセレナの3列目シートが車両側面に折りたたんで収納するのに対して、ステップワゴンは床下に収納できるのである。このためステップワゴンは、3列目シートを収納した際の荷室の開口幅は1235mmと極めて広い。
2列目シートのスライド可能な距離は新型ノア/ヴォクシーが最も大きい。3列目シートを収納すれば、7人乗りのキャプテンシートは810mm、8人乗りでも580mmスライドできる。セレナは530mmにとどまっており、ステップワゴンの2列目シートのスライド可能な距離は明らかにはされていないものの新型ノア/ヴォクシーより小さいようだ。
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