製造業は、儲かるアフターマーケットで稼ぐべし――PTC:製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)
米PTCはサービスライフサイクル管理(SLM)など、アフターマーケット分野への取り組み強化を進めている。2013年7月の米エニグマ買収を機にエニグマからPTCに移籍し、PTCのSLMセグメントのセールス/事業開発担当バイスプレジデントを務めるアッシャー・ガッバイ(Asher Gabbay)氏に話を聞いた。
PTC、エニグマの統合製品は1年後
MONOist PTCによるエニグマ買収の影響について教えてください。
ガッバイ氏 エニグマは21年間アフターサービス分野に特化してサービス用部品などの情報プラットフォームを提供してきた企業だ。顧客企業には製造業が多く、PTCと顧客企業が重なっている。一方でPTCの中心顧客は設計・開発系の部門で、エニグマはアフターマーケットにおけるメカニック系の部門が中心で、お互いに補完関係となっており、相乗効果が発揮できると考えている。
PTCにとってはサービジスティクス買収以降、積極的に取り組んできたSLMの強化につなげられる利点がある。一方でエニグマにとってもグローバル展開が可能になるという利点がある。実はエニグマは一時日本にも拠点を持っていたことがあったが、数年で撤退したということがある。規模の問題でグローバルをカバーしていくのが難しいケースもあったため、今回の買収は価値のあるものだと考えている。
7月の買収発表以降、PTCとエニグマの統合製品の開発なども順次進めているが、現状では連携止まり。本格的な統合製品は約1年後に出てくることになるだろう。
MONOist 現状でのエニグマの強みは?
ガッバイ氏 エニグマのサービスは、アフターサービスパーツの情報をBOMベースで統合管理する情報プラットフォームで、ユーザー企業が情報を登録することで、部品情報を管理できる。オープンプラットフォームでPTC以外の情報も統合管理できることが特徴だ。日本ではまだ実績はないが、早期に成功事例を作りたい。
関連記事
- 再注目される“暗黙知”の管理――シャープ、牧野技術サービスの場合
国内熟練技術者の引退による技術承継や、海外でのアフターサービス業務の効率向上など、保有する知識を共有し、技術承継や海外展開を容易にするナレッジマネジメントシステムに再び注目が集まっている。PTCジャパンが開催したセミナーでは、シャープと牧野技術サービスが登壇し、ナレッジマネジメントシステムの活用事例を紹介した。 - サービス部門をプロフィットセンターへ――サービスは利益を生み出す宝の山
PTCは、ユーザーカンファレンス「PTC Live Global」の一環としてサービス部門を対象とした「Service Exchange」を開催。サービス部門は企業のブランドや製品のライフサイクルを管理する上で重要な部門であり、最適な管理を行うことでコストを抑え利益をもたらすプロフィットセンターになり得ることを訴えた。 - PTCが米エニグマを買収――SLMをさらに強化
米PTCは、アフターサービス分野のソフトウェア開発ベンダーである米エニグマを買収した。PTCが得意とするSLM分野をさらに強化する狙いだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.