あの可変戦闘機からゴミ箱ロボまで――【2013国際ロボット展】フォト&ムービーリポート:再検証「ロボット大国・日本」(12)(3/3 ページ)
世界最大級のロボット展示会「2013国際ロボット展(International Robot Exhibition 2013)」をリポート。サービスロボットゾーンでは、人が装着するパワードスーツやヒューマノイドロボットだけでなく、完全にあのロボットアニメを意識して作った飛行も可能な2足歩行ロボットなど、非常にユニークなロボットの数々に出会うことができた。
2足、4足!? 歩いたり、走ったりするロボット
会場では、ヒューマノイドロボットも幾つか見ることができた。
ROBOTISは、米DARPA(国防高等研究計画局)のレスキューロボット競技会「Robotics Challenge(DRC)」に挑戦している「THOR-MANG」を出展し、安定した歩行動作を披露していた。このロボットの身長は150cm、体重は45kg。同社の新型サーボモーター「DYNAMIXEL Pro」を34個も搭載している。DRCの本大会は2013年12月20〜21日に米国で開催される予定で、結果が注目される。
あつぎものづくりブランドプロジェクト(ATSUMO)が開発しているロボットが「ロボコロ」である。厚木市内の中小企業や大学が協力して開発を進めているもので、デザインは地元のゆるキャラ「あゆコロ」がベースになっている。2014年4月に完成する予定で、ブースでは試作機による歩行デモが行われていた。
杉浦機械設計事務所は、同社が代理店を務めるROBOTISの新型2足歩行ロボット「DARwIn Mini」を紹介していた。まだ開発中のため、詳細なスペックや価格などは不明だが、2014年夏以降の発売を予定しており、お手頃な価格になるという。自由度は17軸。身長は実測で26cmくらいだった。
立命館大学・ヒューマノイドシステム研究室は、開発したばかりの4足歩行ロボット「Yuis」を出展。完成して間もないため、まだ走ることはできないとのことだが、シミュレーション上では、人間の駆け足くらいのスピードは出るそうだ。4足ロボットは2足ロボットに比べ、安定性の高さが利点となる。ブースでは、押されてもバランスを取って倒れないデモを披露していた。
同研究室のロボットは、油圧駆動方式を採用しているのが特徴。Yuisも油圧シリンダーを3軸×4足=12個搭載しており、高速な動作を実現した。油圧のポンプは外部に置いているものの、将来的には、小型化してロボット本体に搭載することも可能だという。
ロボット開発の最前線
筆者紹介
大塚 実(おおつか みのる)
PC・ロボット・宇宙開発などを得意分野とするテクニカルライター。電力会社系システムエンジニアの後、編集者を経てフリーに。最近の主な仕事は「小惑星探査機「はやぶさ」の超技術」(講談社ブルーバックス)、「宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業Vol.1」「宇宙をつかう くらしが変わる 日本の宇宙産業Vol.2」(日経BPマーケティング)など。宇宙作家クラブに所属。
Twitterアカウントは@ots_min
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