あの可変戦闘機からゴミ箱ロボまで――【2013国際ロボット展】フォト&ムービーリポート:再検証「ロボット大国・日本」(12)(2/3 ページ)
世界最大級のロボット展示会「2013国際ロボット展(International Robot Exhibition 2013)」をリポート。サービスロボットゾーンでは、人が装着するパワードスーツやヒューマノイドロボットだけでなく、完全にあのロボットアニメを意識して作った飛行も可能な2足歩行ロボットなど、非常にユニークなロボットの数々に出会うことができた。
原発向けロボット事情
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のブースには、2013年3月に記事で取り上げた災害対策ロボットが展示されていた(関連記事:オールジャパンで挑む災害対策ロボット開発、実用化への道は?)。NEDOの担当者によると、まだ福島第一原子力発電所には投入されていないそうだが、「2014年には、よいお知らせができるのではないか。幾つかのロボットが使われるだろうと思っている」とのこと。
また、千葉工業大学は2013年9月、三菱重工業(MHI)との技術協力を発表。同大学が原発向けに新規開発したロボット「櫻弐號」のライセンスをMHIに供与し、同社が生産・販売を行っていくことを明らかにしていたが、今回、未発表だった「櫻壱號」も初めて公開した。形状は前述の記事で紹介した「Sakura」とほぼ同じで、櫻弐號と同様の防水性能も持たせた。ちなみに、MHIとのライセンス契約は櫻弐號に限定した話であり、櫻壱號がどのメーカーから発売されるのかは、まだ公表できないそうだ。
三井造船は、独Walischmiller Engineeringと共同開発した原発ロボット「V1000」を展示。福島第一を想定して設計されており、かなり大型のロボットであるが、建屋内に入れるサイズになっているという。階段は傾斜角52度までの昇降が可能。通信は無線の他、有線にも対応する。アームの可搬重量は100kgで、先端部をさまざまなツールに交換することも可能だ。
ゴミを拾わないゴミ箱ロボット――リョーエイ/豊橋技術科学大学
リョーエイ/豊橋技術科学大学のブースで動いていたのはゴミ箱ロボットの「Sociable Trash Box(STB)」。ゴミ箱ロボットと聞くと、ゴミを自動で拾ってくれるとか、あるいは投げたゴミを受け取ってくれるとか、そういう便利な機能を期待してしまうが、このロボットは全く逆に、人間がゴミを拾ってくれるように考えたものだという。
潜在ニーズはある!? 家庭向けロボットアーム――アールティ
ロボットアームというと産業用ロボットのイメージしかないが、アールティは家庭への応用をアピール。近未来のキッチンをイメージしたブースでプレゼンを行っていた。
家庭用ロボットアームのコンセプトモデルとして開発した「NEKONOTE(開発コードネーム:ネコノテ)」は、そばに置いても違和感のない親しみやすいデザインを採用(関連記事:ロボットが人型である必要性とは――人間にとって最適なロボットデザインを考える)。まるで人間に教えるように、ロボットアームをつかんで動かすことで、動作を覚えさせることが可能だ。このロボットアームの販売は考えていないそうだが、新規開発したモーターユニットは単体で発売する予定。
果たして、家庭向けでロボットアームが売れるのか。筆者は、潜在的なニーズは案外大きいのではと思っている。例えばキッチンでは、料理の手伝い。例えばはんだ付けでは、部品を持ってくれる。ただ、課題はやはりコストだろう。10万円を切るくらいになれば、購入を考える人も増えてくるのではないだろうか。
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