ニュース
「クラウド・ソーシャル・モバイルへの対応は必須だ」――オートデスクCEO:Autodesk University 2013(2/2 ページ)
米Autodesk社長兼CEOのカール・バス氏は、「Autodesk University 2013」会場で日本記者団のインタビューに応じ「クラウド・ソーシャル・モバイルは避けられないものだ。その新しいやり方に対応していかなければならない」という見解を示した。
デスクトップ製品は全てクラウド化が可能
―― クラウドへの取り組みを開始した当初にここまで動きが本格化する確信はあったのか。
バス氏 当時はここまでの確信を持って始めたわけではなかった。3年間製品展開をする中で徐々に確信に変わってきた。今ではデスクトップで扱っていた製品はすべてクラウド化できると考えている。
―― 日本の製造業では図面データをクラウド環境に上げることにセキュリティ面での不安を感じ、抵抗感ようなものが根強く残っているが、それについてはどう考えているか。
バス氏 その考え方は明確に間違いだと言いたい。リスクに対する考え方の問題だ。例えば銀行にお金を預けているより、家のマットの下にお金を隠している方が安全なのか、という問題と同じだ。
3Dプリンタは製造業にとって付加的なもの
―― 3Dプリンタによるトレンドが生まれているこのタイミングでCAMを発表したのはなぜか(関連記事:オートデスク、クラウドベースCAMへの参入を発表)。
バス氏 確かに3Dプリンタはいい製品で製造業にも新たな利便性をもたらしている。しかし、その機能には制限がある。例えば、大きなモノを作る場合や、耐久性、精度など、たくさんの問題がある。あくまでも3Dプリンタは製造業にとって付加的に使うものであり、従来の製造工程がすぐに変わるというものではない。CAMはそういう意味で現状の製造工程に貢献するものとして提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「“VUCA”の時代を生きるには“外”を見ろ」――Autodesk University基調講演
「Autodesk University 2013」の基調講演では、米Autodesk社長兼CEOのカール・バス氏、CTOのジェフ・コヴァルスキ氏が登壇し「不確定な時代で生き抜いていくには、マインドセットを変える必要がある」ことを示し、その基盤としてクラウドサービスによるコラボレーションの重要性が高まっていることを訴えた。 - オートデスク、クラウドベースCAMへの参入を発表
米Autodeskは、クラウドベースのCAMサービス「Autodesk CAM360」を同社のユーザー向けイベント「Autodesk University 2013」で発表した。同社のCAMパッケージ製品の提供は初めて - なぜクラウド製品やコンシューマ向け製品に取り組むのか
CADツール「AutoCAD」などプロフェッショナルツールで長年知られてきたAutodeskは、クラウドシステムやコンシューマ向けツールに力を入れている。その現状や理由について、同社の経営幹部らが述べた。 - 3次元CADをクラウドで提供。ライセンス料「使いたい期間だけ」
クラウド型統合3次元CAD「Autodesk Fusion 360」は、さまざまなCADのネイティブデータが扱え、ダイレクト・パラメトリック両方の手法を利用できる。ライセンス料は利用期間に応じて課金されるとのこと。