「“VUCA”の時代を生きるには“外”を見ろ」――Autodesk University基調講演:Autodesk University 2013(1/2 ページ)
「Autodesk University 2013」の基調講演では、米Autodesk社長兼CEOのカール・バス氏、CTOのジェフ・コヴァルスキ氏が登壇し「不確定な時代で生き抜いていくには、マインドセットを変える必要がある」ことを示し、その基盤としてクラウドサービスによるコラボレーションの重要性が高まっていることを訴えた。
米Autodeskは2013年12月3日(現地時間)、同社のユーザー向けイベント「Autodesk University 2013」(米国ラスベガス、会期2013年12月3〜5日)の基調講演として、同社社長でCEO(最高経営責任者)のカール・バス(Carl Bass)氏と同CTO(最高技術責任者)のジェフ・コヴァルスキ(Jeff Kowalski)氏が登壇した(関連記事:オートデスク、クラウドベースCAMへの参入を発表)。
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“VUCA”の時代
最初に登壇したコヴァルスキ氏は「“VUCA”の時代に直面する中、われわれはマインドセットを変えなければならない」と訴えた。“VUCA”とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧さ)」の頭文字から成る造語で、技術の変化が激しく確実なものが見定められない現在の経済や技術の状況などを示す時によく使われる。
コヴァルスキ氏はこのような状況の中で「社内など自分たちの所属する組織の“Inside”(内側)だけを見ていては駄目だ。“Outside”(外側)を見る、もしくはOutsideから自分たちをもう一度見つめ直してみる、ということが非常に重要になる」と主張する。
さらにその「外部」をキーワードとして見ていく内容は、「Tools(道具、ツール)」「People(人)」「Work(働き方)」「Insight(洞察、気付き)」の4つのポイントだと話した。
既に使えるモノがないかを探す必要性
コヴァルスキ氏は「例えばツールの面で考えた場合、コンピューティング技術の目覚ましい進歩が重要な要素となる。コンピューティングパワーの向上やクラウドコンピューティングの進歩により、無限に使えるリソースができたということ。例えば過去は巨大プロジェクトを1つのセグメントとして管理することはできなかったが、今では全体像を見据えた形で管理できる」と話す。
さらに、このような“ハイパーコネクト”(全てがつながった状態)の時代を迎える一方で、増大するデータを管理できるようになった世界では「自分たちで全てを作る必要性は全くなくなっている。既に使えるものがないか“外部”を探すことが大事だ。CADモデルは、90%は既にあるものを使い、残り10%を(新たに)作るようになる」とコヴァルスキ氏は語る。
また「人」の面では、企業の内部と外部が境界なくコラボレーションを進めていくことで新しいアイデアが生まれてくると述べた。「オープンイノベーションやクラウドソーシング、コ・クリエーションなど、社内外問わずにベストな人と協力していくマインドセットが必要になる。そうすることで不確実な世界に対応する俊敏性を得られることになる」とコヴァルスキ氏は話している。
さらに「“外部”を見て“外部”から内部のリソースを見ることがインスピレーションを生むことにもつながる。新たな開発を行わなくてもイノベーションを生み出せる可能性がある」(コヴァルスキ氏)とし、リバースメンタリングやリバースイノベーションの成功例を示した。
コヴァルスキ氏は「“中”を見るマインドセットから“外”に目を向けるマインドセットに変えていくことが必要だ。そうすることで、今までは不可能だと思っていたことが実は簡単に実現できるようになることさえある」と強調している。
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