新型「オデッセイ」はなぜ超低床化しなければならなかったのか:「アルファード」「エルグランド」と比較(3/3 ページ)
ホンダの新型「オデッセイ」は、全高を従来モデルの1545mmから150mm引き上げて1695mmとするとともに、超低床プラットフォーム」を採用。上級ミニバンとして競合する、トヨタ自動車の「アルファード/ヴェルファイア」や日産自動車の「エルグランド」と同等クラスの室内高さを実現した。
室内高さは「アルファード」と「エルグランド」の中間
新型オデッセイと競合するのは、上級ミニバンとして知られるアルファード/ヴェルファイアとエルグランドだ。
表1では、新型オデッセイ、アルファード、エルグランドの外形寸法(全長×全幅×全高)、ホイールベース、、最小回転半径、室内寸法(室内長×室内幅×室内高)車両重量、JC08モード燃費、車両価格(税込み)を示している。なお、アルファードとオデッセイについては、エンジン排気量2.4〜2.5lの8人乗りFF車モデルの仕様値を用いている(新型オデッセイは「Gグレード」、アルファードは「240Gグレード」、エルグランドは「250Highway STAR」)。
車両名 | オデッセイ | アルファード | エルグランド |
---|---|---|---|
外形寸法 | 4830×1800×1695mm | 4870×1830×1890mm | 4915×1850×1815mm |
ホイールベース | 2900mm | 2950mm | 3000mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.9m | 5.7m |
室内寸法 | 2935×1625×1325mm | 3160×1585×1400mm | 3020×1580×1275mm |
車両重量 | 1720kg | 1890kg | 1920kg |
JC08モード燃費 | 13.8km/l | 10.8km/l | 10.8km/l |
車両価格 | 281.9万円 | 364万円 | 341.25万円 |
表1 上級ミニバンの比較 |
新型オデッセイは、全長と全高を従来モデルよりも増やしたものの、アルファードやエルグランドと比べて外形寸法は全て小さい。このため、最小回転半径が5.4mと5ナンバーサイズのミニバンとほぼ同等で、5.9mのアルファードや、5.7mのエルグランドよりも取り回しに優れる。全高も低く低重心なので、走行性能については、アルファードとエルグランドを上回っていると言ってよいだろう。
室内寸法は、室内長と室内高さでアルファードが圧倒している。新型オデッセイは、室内長は最も短く、室内高さについてもアルファードとエルグランドの中間にとどまっている。しかし、全高の低さで得られる走行性能とのトレードオフで考えれば、全高が約200mm高いアルファードに対して、室内高さの差が75mmだけで済んでいるとも言える。なお、室内幅は、1600mm以上を確保した新型オデッセイがトップである。
JC08モード燃費については、新開発の排気量2.4lエンジンとアイドルストップシステムを搭載する新型オデッセイが13.8km/l(上級グレードの「アブソルート」は直噴エンジンの搭載により14.0km/lを達成)で、最も良好である。アルファードとエルグランドはともに10.8km/lとなっている。ただし、アルファード/ヴェルファイアにはハイブリッドモデルが用意されており、JC08モード燃費は16.2km/lを実現している。
関連記事
- 新型「オデッセイ」の2列目シートは「包み込まれるような座り心地」
ホンダの新型「オデッセイ」は、住宅内で用いられるリラックスソファと同様の快適さを実現した「プレミアムクレードルシート」を2列目シートとして採用している。 - 新型「オデッセイ」は安全装備充実、自動ブレーキ+駐車支援+マルチビュー
2013年秋発売予定の新型「オデッセイ」は、先行車両との衝突を回避する「シティブレーキアクティブシステム」や駐車支援システム「Hondaスマートパーキングアシストシステム」、車両の上方から見た映像を映し出す「マルチビューカメラシステム」など安全装備が充実している。 - トヨタ「ポルテ」が全面改良、燃費20km/l超の“プチバン”競争が過熱
トヨタ自動車は、トールワゴンタイプの小型車「ポルテ」を全面改良し、コンパクトカーでありながらスライドドアや広い室内空間といったミニバン的要素を持つ“プチバン”市場に投入する。この新型ポルテや、「N BOX」、「タント」、「ソリオ」などにより、燃費20km/l超の“プチバン”競争が過熱しそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.