2020年東京五輪で導入目指す自動運転技術を公開、ITS世界会議は一般参加無料:ITS世界会議
2013年10月14〜18日に東京都内で開催される「第20回ITS世界会議東京2013」は、これまでの専門家会議とは異なり、一般参加を広く募る市民参加の国際会議となっている。2020年東京オリンピックでの導入を目指す、自動運転や交通ビッグデータといった先進ITS技術をいち早く確認できるイベントになりそうだ。
「第20回ITS世界会議東京2013」(以下、東京会議)の日本組織委員会は2013年9月13日、同年10月14〜18日に開催する同会議の全容を発表した。10月14日の東京国際フォーラムにおける開会式の後、10月15〜18日は東京ビッグサイトで、約250のセッション、国内外約220の企業と団体がITS関連技術を披露する展示会、会場内の敷地や会場外の公道を使ってITS技術を体験できるショーケースなどが行われる。詳細は、同会議の公式Webサイトで確認できる。
ITS世界会議は、ITS(高度道路情報システム)関連技術の世界会議として、ITS関係の専門家が各国から参加するイベントである。第20回の節目となる東京会議では、無料で参加できるイベントを充実させるなどして、一般参加を広く募る方針。ITS関係の専門家は約8000人が参加する見込みだが、一般参加を含めた東京会議の目標参加者数は1万人以上となっている。東京都の登録サイトで事前登録すれば、10月17〜18日の一般公開日には無料で展示会やショーケースに参加できる。
東京会議の日本組織委員会委員長を務めるITS Japan会長の渡邊浩之氏は、「東京会議では、注目を集めている自動運転技術と、走行中の車両から送られてくるプローブ情報を基にした交通ビッグデータ、この2つが中核テーマになる。事故や渋滞の削減、環境・エネルギー対策など世界共通の課題は、ITSで解決できると考えているが、こういった社会的な課題に取り組むには市民の理解と賛同が重要だ。そこで、今回の東京会議は市民参加の国際会議と位置付け、専門家のみならず一般参加を広く募ることとした」と語る。
開催都市である東京都を代表して参加した青少年・治安対策本部長の河合潔氏は、「2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致計画書では、ITSなどの先端輸送システムを駆使した大会運営システムを導入することを明記している。今回の東京会議で披露される自動運転や交通ビッグデータなどの先進的なITS技術を、2020年までに導入して活用したい」と期待を込める。
自動運転に必要な“先読み”を標準化
ITS技術に関する動的展示となるのがショーケースだ。総計20種類のデモを体験できる。会見では、自動運転技術と関わりの深い「高速道路サグ部の交通円滑化サービス」、「高速道路における高度運転支援技術」、「モビリティ協調デモンストレーション」という3つのデモを紹介した。
渡邊氏は、「国際的に流通する自動車という商品に、一部の国だけで利用できるような技術を搭載しても意味がない。自動運転技術についても同じで、自動車に何をどこまで“先読み”させるかといったことについての国際標準がなければ、自動車に搭載できない。ITS世界会議を通じて、自動運転技術に関わる標準化を進めたい」と意気込む。
ショーケースの他にも、10月16〜18日に、「高度運転支援・自動運転のデモンストレーション」を行う予定。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、富士重工業、三菱自動車、スズキ、ダイハツ工業、General Motors、Volvo Car、産業技術総合研究所が、高度運転支援、自動運転、自動駐車、衝突回避などのデモを披露する。
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