第11回 全日本学生フォーミュラ大会開催――シンプルな車両の京大が初優勝:学生フォーミュラ大会の総合成績発表
第11回 全日本学生フォーミュラ大会は京都大学が初優勝。丁寧な作りのシンプル車両で丁寧な走りを見せた。
自動車技術会は2013年9月3〜7日、静岡県袋井市・掛川市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で「第11回 全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ大会)を開催した。この大会では、大学や専門学校のチームが製作したフォーミュラ車両が多数持ち込まれ、車両の走行性能だけではなく、商品としてのコンセプトやコスト、デザインなど車両作りにかかわるあらゆる要素(モノづくりの総合力)が審査される。
今回のエントリーは86校、書類選考通過は78校だった。今年は、大会の目玉である動的審査のエンデュランス(直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を走行。22kmの耐久走行のタイムを競う)の走行順を大きく変更。エンデュランス以前の成績が優秀だった「Aグループ」に属するチームが最終日午後に走行するようにした。
第11回大会の総合優勝は京都大学で、今回が初優勝となった。トータルスコアは「857.12」だった。ちなみに昨年の第10回大会では総合23位だった。従来京都大学が得意としてきた、シンプルでコンパクトなアルミフレーム車両で挑んだ。エンデュランスではミスをしないようにと丁寧に走行する様子が伺えた。
総合第2位は、第8回の優勝校である大阪大学(総合スコア:854.15)、第3位は同志社大学(総合スコア:768.16)、第4位は名古屋大学(総合スコア:728.58)、第5位には第11回大会の優勝校 京都工芸繊維大学(総合スコア:711.74)、第6位は横浜国立大学(総合スコア:707.94)だった。旋回性能を意識してホイールベースを短くする傾向が多い中、横浜国立大学はあえてホイールベースが長く、しかもタイヤのトレッド幅も広い車両で挑んで健闘した。
第9回大会でも優勝し、かつては連続優勝を誇った上智大学は、大会最速ラップを刻むほどの車両を作り上げ、エンデュランスまでの成績から優勝の可能性も高かったにもかかわらずエンデュランスでリタイアとなってしまい、総合21位(総合スコア:480.66)と振るわなかった。茨城大もAグループでのエンデュランス走行となったにもかかわらず、2人目のドライバに変わろうというとき、エンジンがかからずにリタイアとなってしまい25位(総合スコア:447.14)となった。
今年は、車両後部にウィングを搭載する車両が目立った。エンデュランスの実況からは、その姿を見かけるたびに「単なる゛重り”になっていないのか」という少し苦言めいたコメントが度々聞こえてきた。一方、学生たちからは、「きちんと空力特性と性能を評価した上で搭載を決めている」との考えが聞けた。
大会当日の情報については、関ものづくり研究所の関伸一氏によるレポート記事でお届けする予定なので、お楽しみに。優勝校である京都大学についても、後日あらためて取材して記事で詳しく紹介する予定だ。
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