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2016年の学生フォーミュラは過去最多106チームが参加、インドや中国からも学生フォーミュラ2016(1/2 ページ)

自動車技術会は「第14回 全日本学生フォーミュラ大会」の開催概要などを発表した。会場は例年通り、静岡県袋井市の小笠山総合運動公園(エコパ)で、2016年9月6〜10日の5日間で実施する。エントリーは過去最多の106チームだ。

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 自動車技術会は2016年7月7日、東京都内で会見を開き、「第14回 全日本学生フォーミュラ大会」の開催概要などを発表した。会場は例年通り、静岡県袋井市の小笠山総合運動公園(エコパ)で、同年9月6〜10日の5日間で実施する。エントリーは過去最多の106チームだ。

会見に出席した早稲田大学、上智大学、横浜国立大学のチーム
会見に出席した早稲田大学、上智大学、横浜国立大学のチーム (クリックして拡大)

海外勢の初エントリー増

大会委員長を務めるトヨタ自動車 松本保志氏
大会委員長を務めるトヨタ自動車 松本保志氏

 全日本学生フォーミュラ大会は、レーシングカーを開発/販売するベンチャー企業になったつもりで、学生たちが車両の走行性能や開発力、販売戦略、コスト管理などを競う。年産1000台を想定したビジネスモデルを提案するプレゼンテーションも種目に含まれている。

 同大会は「Formula SAEシリーズ」の1つで、日本を含む世界8カ国において同一のルールで11大会が実施されている。シリーズ以外にも東南アジアや欧州、カナダなどで同様の競技大会を開催しており、グローバルな競技となっている。

 今回は海外勢31チームを含む総勢106チームがエントリーし、過去最多となった。中国やインド、台湾、インドネシア、マレーシアなどから15チームが初エントリーする。「日本がFormula SAEシリーズに参加したことで、日本大会の認知度が高まったのが要因だろう。積極的に日本と海外の学生が交流する場としていきたい」(大会委員長を務めるトヨタ自動車 先進技術開発カンパニー 技術管理部の松本保志氏)。

 前回優勝したオーストリアのグラーツ工科大学が2016年も参加。EVクラスでは、3連覇中の静岡理工科大学が名古屋大学と合同でエントリーする。

 同大会はガソリンエンジン車と電気自動車の2クラス制だ。クラス共通のレギュレーションとして、タイヤをカウルで覆わず、コックピットがオープンな1人乗りとしなければならない。ガソリンエンジン車は、排気量が610cc以下の4サイクルエンジンで、排気音量は110dB以下とされている。ガソリンエンジン車クラスでは海外チームの初エントリーが目立つ。一方、電気自動車クラスは、バッテリーの最大電力が連続的に80kWを超えないことや、最大公称作動電圧を600Vとすることが条件となる。

参戦車両のこだわりは、チームごとにさまざま

早稲田大学の参戦車両
早稲田大学の参戦車両 (クリックして拡大)

 会見では、エントリーした早稲田大学、上智大学、横浜国立大学の3チームが参戦車両を紹介した。過去の大会での経緯やチームの方針を反映し、各チームがさまざまなポイントにこだわっている。

 早稲田大学は、2013年から2015年にかけて総合順位を落とし続けている。2013年に完走を果たして総合37位となったが、2014年は48位、2015年は58位だった。敗因となったのは、クラッチが切れなくなるトラブルや、車両製作のスケジュール管理の不備、車検に想定以上の時間がかかってしまったことにある。

 2016年の参戦車両は、スケジュール管理を徹底し2016年4月には完成させた。スロットル系やギア比を見直してドライバビリティの向上した他、電装部品を作りなおしてメンテナンス性を改善した。応答性や挙動の安定性も磨いている。今大会では全種目の完走と総合順位15位を目指す。

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