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パナソニックの20型「4Kタブレット」は“メイド・イン・ジャパン”製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

パナソニックは業務用の20型4Kタブレット「TOUGHPAD(タフパッド) 4K」を2013年12月上旬に発売する。4Kの高精細を生かし、モバイルでのCAD/CAM操作や医用画像閲覧など新たな業務用分野での普及を目指す。同製品は生産の難易度から国内で生産する方針を明らかにしている。

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高い生産技術が必要に

 タフパッド 4Kは、高精細・高性能の一方で堅牢性や軽量、薄型化を実現するため、生産方法なども含めて多くの技術的な挑戦を行っている。例えば、薄さと堅牢性を実現するために、従来ではカバーガラスと筐体を両面テープで接着していたのを、ホットメルト(熱を掛けることで溶融する接着剤を用いて接着すること)方式を用いて直接接着し、強度を約3倍に高めた他、薄型化を実現したという。

 ホットメルト方式によりカバーガラスに直接ボンディングする方式は、スマートフォンでは多く採用されているが、タブレット端末では画面が大きいため難しい。パナソニックグループ内では初めてタブレットに採用したという。

ホットメルトで堅牢性
ホットメルト方式を採用し薄型化とともに堅牢性を実現(クリックで拡大)

 また、内部には堅牢性を確保するためマグネシウムフレームを採用しているが、これも薄型化を実現するため、一部でパーツを貫通させる設計としている。さらに筐体はグラスファイバーを採用し軽量化を実現。従来技術のまま開発した場合は、厚みは17.4cmとなっていたが、これらの技術を組み込むことで12.5cmに削減することに成功したという。

国内の技術力を生かし神戸工場で生産

筐体はグラスファイバー
筐体はグラスファイバーを採用。カバーガラスに直接ボンディングすることで薄型化を実現(クリックで拡大)

 これらの新たな技術的な挑戦を形にするために同社では、タフパッド 4Kの生産をPCのマザー工場である神戸工場で行う。神戸工場はマザーボードの実装工程から、組み立て工程まで一貫生産する他、品質保証部門、コールセンター部門、修理サービス部門など多彩な機能を併せ持つ生産拠点だ(関連記事:「レッツノート工房」に見るパナソニックの強さ――同質化競争を逆手に取れ)。

 同社ではPCの提案において、1台からのカスタマイズなどに応じる「一品一様」提案や、ソフトウェアやサービスなどを組み合わせて納品するソリューション提案などで差別化を進めているが、これには神戸工場の高いモノづくり能力が寄与している。この生産能力を生かして、タフパッド 4Kも神戸工場で生産ラインを立ち上げるという。

 パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 プロダクトセンター(神戸工場)所長の清水実氏は「ホットメルトによるボンディングなどは、工場と技術部門、既に活用しているスマートフォンの開発部門などで協力して、新たな接着剤を開発し、生産工程を確立した。生産における課題をどう乗り越えるか、という点を多彩な発想で解決できるのは、自社開発、自社生産であることとともに、国内工場だからこそだ」と語る。

 タフパッド 4Kは、2013年9月6日から独ベルリンで開催されている欧州最大の民生機器展「IFA2013」でも発表され、欧州と米国でも販売を行うことが明らかにされている。タブレット端末やスマートフォンは、日系企業が自社生産するケースは少なく、外部のEMS(受託生産サービス)企業に委託するケースが主流。タブレットとしては貴重な「メイド・イン・ジャパン」製品が世界に挑戦することになる。

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