気象情報と機体/車両の位置情報を一元管理! 被災地支援に役立つウェザーニューズの動態管理システム:南海トラフ巨大地震に備え
ウェザーニューズは、南海トラフ巨大地震を想定して2013年8月31日に実施された「平成25年 内閣府広域医療搬送訓練」において、同社のヘリコプター動態管理システム「FOSTER-copilot」が活用されたことを発表した。
ウェザーニューズは2013年9月4日、南海トラフ巨大地震を想定して同年8月31日に実施された「平成25年 内閣府広域医療搬送訓練」において、同社のヘリコプター動態管理システム「FOSTER-copilot」が活用されたことを発表した。
東日本大震災の発生直後、全国各地から多くのドクターヘリや救急車、ドクターカーなどが被災地に集まった。しかし、各機体/車両の位置情報や出動可否などの情報の一元的な把握が難しく、各拠点の連携と迅速かつ効率的な医療搬送が課題となった。
これを踏まえ、今回の訓練では「空の安全を守る」というミッションの下、ウェザーニューズがヘリコプターの運航管理・サポート向けに開発・サービス化したFOSTER-copilotを採用。ドクターヘリ11機、災害調査ヘリ2機、ドクターカー・災害時医療支援車両(DMAT車両)10台に搭載し、各機体/車両の位置情報と気象情報を一元管理し、最適な運航(行)判断に活用した。
FOSTER-copilotは、機内に持ち込むだけで利用できる動態管理システムである。機体の修理改造が不要なため、低コストで導入できる点が特徴だ。FOSTER-copilotの本体サイズは65×26×130mm、重さは202gである。FOSTER-copilotによって取得された各機体/車両の位置情報は、運航判断支援ツール「FOSTER-GA」上で気象情報とともに一元管理される。
南海トラフ巨大地震を想定した今回の訓練では、災害対策本部やSCU(航空搬送拠点臨時医療施設)、ドクターヘリ基地病院などで、FOSTER-GAを利用。機体/車両の位置情報と気象情報が一元管理された画面を確認しながら、最も迅速に医療搬送が可能な機体/車両の選定と安全かつ効率的な運航(行)判断を実施することができたという。
防災・災害対策技術
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ヘリコプターで撮影した被災地の空撮映像を衛星通信で高速伝送、三菱が開発
大規模災害が発生した場合、迅速な被災地域の状況把握が何よりも大切だ。三菱電機は、ヘリコプターと通信衛星を衛星回線でつなぎ、撮影した空撮映像や音声データをリアルタイムに伝送する「ヘリコプター直接衛星通信システム(ヘリサットシステム)」を開発し、総務省消防庁に納入した。 - 通信網の遮断を空から救え!! ――小型無人飛行機が孤立した被災地との間を結ぶ
情報通信研究機構(NICT)は、小型無人飛行機に搭載する無線中継装置と、地上に設置して用いる簡易型の地上局装置とで構成される「小型無人飛行機を活用した“無線中継システム”」を開発した。 - GPSデータで海溝型巨大地震に伴う大津波の予測を支援、国土地理院
国土地理院は、日本全国1240箇所にある「電子基準点」で観測されたGPSデータのリアルタイム解析を行い、海溝型巨大地震発生時に生じる地殻変動量を即時に求めるシステムの試験運用を開始した。