「カローラ」の中に「アクア」!? ハイブリッド化でJC08モード燃費は33.0km/lに:エコカー技術
トヨタ自動車は、11代目「カローラ」にハイブリッド車を追加すると発表した。ハイブリッド専用車「アクア」のエンジンやモーター、インバータ、電池パックなどを流用してハイブリッド化することにより、JC08モード燃費を33.0km/l(リットル)まで高めた。その一方で、車室内空間の広さや荷室容量は維持している。
トヨタ自動車は2013年8月6日、2012年5月に発売した11代目「カローラ」にハイブリッド車を追加すると発表した。ハイブリッド専用車「アクア」のエンジンやモーター、インバータ、電池パックなどを使ってハイブリッド化することにより、JC08モード燃費を33.0km/l(リットル)まで高めた。その一方で、車室内空間の広さや荷室容量は維持している。カローラのハイブリッド車の価格は、セダンタイプの「カローラ アクシオ」が192万5000円から、ワゴンタイプの「カローラ フィールダー」が208万5000円から。販売目標台数は、カローラ アクシオが1000台、カローラ フィールダーが1500台となっている。
11代目カローラには、改良された排気1.5lのガソリンエンジン「1NZ-FE」が採用されており、同エンジンとCVT(無段変速機)を搭載する車種のJC08モード燃費は20.0km/lだった。今回発表したハイブリッド車は、これらのパワートレインを、アクアで採用した排気量1.5lのアトキンソンサイクルエンジン、最高出力45kW/最大トルク169Nmのモーター、ニッケル水素電池パックなどに置き換えることで、65%もの燃費向上を実現している。
一般的に、ガソリンエンジン車のハイブリッド化では、車両重量の増大とともに、車室内空間の広さや荷室容量が犠牲になることが多い。11代目カローラのハイブリッド車では、電池パックを、車室床下の燃料タンクに隣接する場所に設置して、ハイブリッドシステムの導入による影響を最小限に抑えた。室内寸法は、長さ1945×幅1430×高さ1200mm、後席の膝回りスペースも640mmと、ガソリンエンジン車と同じである。荷室容量も、カローラ アクシオで461l、カローラ フィールダーで407lを確保した。ただし、燃料タンク容量は42lから36lに減っている。
デザインも一部変更
カローラのハイブリッド車は、専用のフロントグリルやエンブレムを採用するなどして、エクステリアデザインをガソリンエンジン車と異なるものに仕上げている。
インテリアも、メーター色にブルーを採用して先進イメージを強調しつつ、エコドライブの状態を分かりやすく確認できる4.2インチカラー液晶パネルを用いたマルチインフォメーションディスプレイを設定。シート表皮やインテリアパネルの加飾も、ハイブリッド車専用となっている。
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