すごいぞスパークプラグ、2000℃に加熱してから急冷して高圧を掛けても壊れない:いまさら聞けない 電装部品入門(9)(4/4 ページ)
スパークプラグは、イグニッションコイルからの高電圧を使って燃焼室内で火花を発生させて、混合気を点火する電装部品である。安ければ500円で買えるスパークプラグだが、燃焼室内という非常に過酷な環境で動作を続けられるように、さまざまな工夫が盛り込まれている。
熱価を左右する要因
熱価の選択が重要だということはご理解いただけたと思いますが、そもそもスパークプラグの熱価はどのようにして変化させているのでしょうか?
最も分かりやすい外観上の違いというのは、燃焼工程で受熱する部分の表面積の差です。
一般的にこの部分はガスポケットと呼ばれており、ガスポケットの表面積と容積に比例して受熱の影響が変化します(放熱経路の差は割愛します)。
スパークプラグは、ご紹介した熱価はもちろん、取り付け部のネジ径や長さなどによって細かく種類が分けられています。それらはメーカーごとに定めた品番で管理されていますので、カー用品店に設置されているプラグ選別用冊子、もしくはスパークプラグメーカーのWebサイトを参考にしてください。
安い物なら500円ほどで入手できるスパークプラグですが、ここまでの性能を求められる部品と知っていれば、そのコストパフォーマンスは非常に高いと感じられますよね?
現在はイリジウムコーティングが主流となっていますが、さらなるエンジン性能向上のためにも、スパークプラグの新しい技術革新を期待しましょう。
次回はドライブバイワイヤー(DBW)について紹介します。お楽しみに!
プロフィール
カーライフプロデューサー テル
1981年生まれ。自動車整備専門学校を卒業後、二輪サービスマニュアル作成、完成検査員(テストドライバー)、スポーツカーのスペシャル整備チーフメカニックを経て、現在は難問修理や車両検証、技術伝承などに特化した業務に就いている。学生時代から鈴鹿8時間耐久ロードレースのメカニックとして参戦もしている。Webサイト「カーライフサポートネット」では、自動車の維持費削減を目標にしたメールマガジン「マイカーを持つ人におくる、☆脱しろうと☆ のススメ」との連動により、自動車の基礎知識やメンテナンス方法などを幅広く公開している。
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